( 2013.12.13 )


 中国の民間航空当局は、北京の空港を発着する主要航路を運航する上級航空機パイロットに、視界が極めて悪い中で着陸する資格の取得を義務付ける新しい規則を設けた。 深刻な大気汚染によって悪化している航空機の運航状況の改善が狙いだ。

 中国の大手航空会社と国営メディアによると、各社は来年1月1日に発効する新規則に従うためにパイロットに追加訓練を実施していることを明らかにした。

 中国の都市では大気汚染が悪化し、時々民間機の運航に支障を来している。 先週、厚いスモッグが上海など中国東部を覆い、南京市では視界が50メートルを切り、多くのフライトが遅延・欠航となった。

 航空情報サービス会社のフライトスタッツによると、視界を遮る厚いスモッグは、北京首都国際空港でも欠航・遅延を招いている。 同空港は中国で航空機の発着回数が最も多く、定時運航率が最も低い。 11月は45%にとどまった。

 今の旅客機は気象条件や滑走路の設備に応じて、霧が出ているなど視界がほとんど、または全くない中での着陸を支援する精巧な機器を備えている。 だがパイロットは、通常は安全性を危うくすることはない、こうした着陸を行うのに新たな資格が必要になる。 欧米の大手航空会社は視界不良下での着陸を頻繁に行っているが、着陸可能な視界の最低水準に関する規則は航空会社によってまちまちだ。

 パイロットが視界不良時に着陸する資格は、視界が350メートル以下に低下した場合が対象となる。

 だが中国のパイロットによると、同国がこの10年間、安全性のイメージ向上を目指していたこともあり、規制当局はこれまで視界不良時の着陸はリスクが高いとして禁じていた。 航空機が滑走路に近づいた時に視界が350メートル以下だった場合は通常、視界が改善するまで旋回して待つか、他の空港に向かう。

 中国では1990年代に死者を出す航空機の墜落事故が相次いだが、現行規則とより厳しい国際基準の施行強化や無秩序な業界拡大に歯止めをかけることで、航空業界の改革に成功した。

 中国政府は多くの海外の専門家を招いて、国内のパイロット、管制官、検査官の訓練を依頼している。 こうしたことにより、中国の航空市場の安全性は今や世界トップクラスとなっている。

 中国民航大学のリウ・グアンツァイ教授は、安全水準の向上と、フライトの遅延を減らす必要性から、航空当局は視界不良時の着陸に対する姿勢を変えつつあるとの見方を示した。 また、視界不良時に着陸するかどうかパイロットが決められるようにすれば、安全性を損なわずに定時運航率を改善できるだろうと述べた。

 中国民用航空局からはコメントを得られなかった。

 上海を拠点とする中国東方航空の広報担当者によると、同社では視界不良時に着陸する資格を取得したパイロットは1400人と、全機長の半分を占める。 広州を拠点とする中国南方航空も、新規則に従うためにパイロットの訓練を行っていることを明らかにした。