( 2013.03.20 )
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有害物質を含む濃霧でかすむ中国・北京市内

 中国で深刻化している微小粒子状物質 「PM2.5」 が日本にも飛来している。 拡散は黄砂が原因とされているが、黄砂が運ぶのはPM2.5だけではない。 過去に中国、米国、ロシアなどが行った核実験の放射性物質が西日本を中心に観測され、犯人は黄砂だ。 中国ではダイキン、シャープなど日系企業の空気清浄機が売れているというが、室内だけきれいにしても仕方がない。 この環境汚染は、国家レベルでなければ解決できないことを中国に認識してもらいたい。




 石川県、福井県が行っている環境調査で、核実験でしか発生しない 「セシウム137」 が微量ながら見つかっている。 量が半分になる半減期が30年と長い。

 石川県保健環境センターは平成21年4月から1年間、金沢市のセンター屋上で10日ごとに降下物を採取し、セシウム137の量を測定した。 その結果、計8回検出さたセシウムの総量の7割は、大規模な黄砂があった22年3月の4日間に集中していたことが分かった。

 また、福井県の環境監視センターが22年3、4月に試料採取を行ったところ、黄砂が観測された週( 3月16日~23日 )のみ、セシウムが見つかっている。

 核実験は米国が1945年にニューメキシコ州の砂漠で行った実験で始まったが、米、英、ロシアの3国は1963年以降の地上で実験をやめた。 だが、中国が国際世論の圧力で地上実験を中止したのは1980年だった。





中国甘粛省の山丹県で発生した大規模な黄砂の嵐
 近年、日本でのセシウム検出例は減ってはいるが、2000年以降、スポット的に観測されるセシウムと黄砂現象の関連が注目されている。 これにはゴビ、タクラマカンなどの砂漠拡大や、国土の砂漠化による黄砂量の増大が関係しているという。

 一昨年、中国国家林業局は、2009年時点で、砂漠化した土地が国土の18.03%に当たる173万平方キロメートルと発表した。 砂漠化の可能性がある土地は260万平方キロメートル。 近年、植林などで回復の兆しもあるが、依然として深刻だ。

 中国も環境問題の深刻さを早くから認識しており、2006年の環境保護会議で温家宝氏が唱えた 「 3つの転換 」 は、いずれも環境保護が経済成長とセットになっていた。

 昨今の濃霧が渦巻く中国の映像を見る度にゾッとする。 ひょっとして “何処吹く風” だったのか。




 PM2.5問題以降、中国ではパナソニック、ダイキンなど、日本メーカーの空気清浄機が売れている。 価格は高いものの、中国の消費者は自衛に動いているのだ。 ただ、室内の空気だけをきれいにしても、黄砂や自動車の排出ガスなどを抑えない限り問題は解決しない。

 中国メディアの報道にも変化がある。 中国新聞網など複数のインターネットメディアは、 「 毒霧の都市封鎖で、謝罪する市長がいない 」 などとする記事を掲載した。 国、行政を挙げての対策の必要性は、中国の国民にも重く受け止められているようだ。

 だが、石原伸晃環境相は2日、中国が日本からの技術協力に難色を示していると経過を説明し、中国側の対応を 「 腰が引けている 」 と述べた。 沖縄県尖閣諸島など各論はあるだろうが、事態は急を要している。 中国は人命を守るという1点で判断するべきではないか。