( 2012.03.18 )

  

 中国大気汚染の原因をメディアは 「 大霧( 濃霧 ) 」 と報じたが、在北京のアメリカ大使館がPM2.5だと暴露して話題となった。 中国もここにきて改めてPM2.5問題として取り組みを発表した。 PM2.5とは、ぜんそくや気管支炎を引き起こす微小粒子状物質のことである。 だが、中国の環境問題への取り組みは、穴だらけだという。

 約1週間の日程で行われてきた全人代( 全国人民代表大会 )が14日、閉幕した。 毎年この時期は国内の諸問題が集中して話し合われるため、中国の現状を大雑把に理解するには最適な時期でもある。

 なかでも中国社会が抱える問題を総括的に触れるのが総理の活動報告である。

 今年、温家宝総理が行った活動報告の特徴の一つは経済の構造転換を力説したことであり、もう一つは民生問題への深い関心を示したことである。

 なかでも昨年メディアを賑わせたさまざまな問題を取り上げて解決の目標を掲げたことで、そこには食品安全や環境問題が多く取り上げられた点だ。

 そして、その一つがPM2.5の問題である。 PM2.5とは、ぜんそくや気管支炎を引き起こす微小粒子状物質のことで、空気汚染を代表する物質である。

 中国のメディアが 「 大霧( 濃霧 ) 」 と報じたのに対して、在北京のアメリカ大使館がPM2.5だと暴露して話題となった大気汚染問題だが、中国もここにきて改めてPM2.5問題として取り組みを発表したのだ。

 具体的には大気汚染の環境基準を厳しくして五月雨式に全国へと適用を広げるという対策であるが、そもそも基準となった〈 環境空気質量標準 〉はWHOの定める基準よりも緩く、また全国規模の実施は2016年1月1日からという中身なのだ。

 これでは 「 濃霧 」 の発生の度に街中の小児科がパンクする現象は当分なくならないだろう。

 この中国の大気汚染に対する新たな取り組みのニュースのなかで明らかにされたことで驚かされたのは、中国がこれから適用する新基準でさえ、現状では全国のおよそ3分の2の地域は不合格になると考えられていることだ。




 急速な工業化がもたらした環境汚染の影響で、中国では小児ガン患者が毎年4万人以上のペースで増え、1~4歳までの児童の主要な死亡原因となっている。

 広東省の病院の統計データによると、小児ガン患者は毎年、10年前の2倍に当たる4万人のペースで増えているという。 環境汚染が原因だと疑われる悪性腫瘍や白血病は、溺死や交通事故などの事故死を除くと、1~4歳児児童における死因のトップとなっている。

 南方都市報は、広州市婦児医療センターの医師・林穂芳氏の話を引用し、小児悪性腫瘍と白血病は、住宅や娯楽施設、おもちゃ、衣服に含まれるベンゼンが基準値を上回っていることに関係していると指摘した。

 ベンゼンは発がん性の物質で、合成繊維、染料、合成洗剤など各種化学製品の主要原料でもある。

 同センターの葉鉄真主任医師は、自身が行った広東省小児悪性腫瘍についての調査に基づき、 「 悪性腫瘍の増加は化学物質や電磁場など、昔存在しなかった要素の増加と正比例していることがわかった 」 と話した。

 広東省東部普寧市燎原村に住む庄小濤ちゃん( 2歳 )は白血病と診断され、入院治療を受けている。 母親の話によると、同じ村でほかにも2人の子供が発病したという。 村の周辺には布の染色工場、機織り工場など10軒以上の工場が林立し、村を流れる川は黒く濁り、悪臭が漂っている。 ほかにも回収された電気製品の解体工場があり、刺激臭を放っている。

 「 環境汚染によるものだ。放射線や食品添加剤、防腐剤、空気中の各種の汚染物質、すべては腫瘍の誘因となる 」 と同病院の林愈灯主任医師は指摘した。