( 2011.12.06 )

  


 中国北部の一部地域で5日濃い霧が発生し、航空機の遅延や欠航が相次いだ。 首都北京上空ではスモッグで暗いもやがかかった。
 北京空港では午後2時( 日本時間同日午後3時 )の時点で126便が1時間以上遅延し、207便が欠航した。
 北京の空は非常に暗かったため、ドライバーは一日中ヘッドライトを点灯し続けた。 街には不気味な暗黒街のような雰囲気が漂っていた。 あるミニブロガーは 「 これほどの濃い霧だと、世界の終わりのように思える 」 と書き込んだ。
 政府の気象予報士は、霧は中国の一部で7日まで残る可能性が高いと述べた。 このため、交通にさらなる混乱が生じる見込みだ。 ただし、7日までに寒冷前線によって霧が解消し始めるという。
 北部の山東省と河北省を通過する幹線道路も閉鎖された。
 北京では霧が大気汚染で一層ひどい状態になっている。2.5ミクロンの吸入可能粒子を計測できる米大使館の基準によると、ここ数日の汚染は 「 有害 」 レベルだ。 4日夜の指数は最高水準の500を超えたが、5日午後には356にまで下がった。 しかし、356でも 「 危険 」 な水準だとされている。
 しかし北京環境保護局は、大気が日中 「 軽度の汚染 」 による影響を受けただけだと発表するにとどまっている。 同局の杜少中副局長はミニブログの中で、汚染の水準が 「 中程度 」 まで上がった場合、住民は警戒すべきだと警告した。
 中国の環境当局者は、大気中のはるかに大きな粒子の汚染物質しか報告していないとして、メディアやミニブログで批判されている。


「北京の空気はどうなってるの」

 空気洗浄器フィルターの洗浄水は墨汁同然

 12月に入ってから、中国の北部から中部地区にかけて、北京を含む十数の省・市で重度の霧が多発。航空便の遅延や欠航が相次ぎ、一部の高速道路も一時閉鎖となり、首都北京で深刻化する大気汚染が浮き彫りにされた。 北京市五環外に居住する中国政法大学法学院の何兵・副院長がこのほど中国版ツイッター 「 微博 」 で自宅の空気清浄器を洗浄した水の写真を公開した。 墨汁のように真っ黒だった。

 公開写真は、取り付けて間もないという空気洗浄器のフィルターを洗った後の水だった。 同氏は 「 微博 」 に次のように書き込んでいる。 「 前回の洗浄からわずか10日間しか経っていないのに、水は墨汁同然だ 」 「 この器械がなかったら、真っ黒な物が全て私の肺に吸い込まれたのではないか 」 「 北京に住むということは、まさに命がけだ 」

 この情報は1万回以上転送され、2千件以上のコメントが寄せられた。

 ウェブユーザーからは、 「 水の汚れは、浄水器を通してまだ何とか飲めるようになる。 空気の汚れは、毎日酸素ポンペを背負って生活するわけには行かない 」 という内容のコメントが多数発信され、中には北京を離れると語る人もいた。

 北京市衛生局の毛羽・副局長の先月の発言によると、2000年から2009年までに、北京市の肺がん発病率は56.35%増加し、ガン患者5人のうち1人は肺がんだという。 中国医学科学院の腫瘤医院の杜さんは、肺がんと大気汚染との直接的な関連を指摘した。

 一方、中国政府の対応の鈍さに、市民の不安はますます高まっている。

 重度の霧がかかった4日、航空便の遅延や欠航が相次ぎ、一部の高速道路も閉鎖された。 この日、駐北京の米国大使館が公表した大気汚染の観測データは、直径2.5μm以下の超微粒子PM2.5の含有量が522と記録。 最高設定値の500を超え 「 危険 」 水準に達した。 一方、北京環境保護局が公表した同日の観測データでは 「 軽度 」 の汚染という分類だった。