( 2013.03.16 )

 


 中国の経済学者で作家の何清漣氏は上海で発生したブタの死骸投棄事件を受け、 「自分さえ良ければ」 という事件が今後さらに深刻な形で発生すれば中国人は世界最大の自滅民族となると指摘した。 写真は同事件のブタ無害化処理。

 2013年3月12日、中国の経済学者で作家の何清漣ホー・チンリエン氏は 「『以隣為壑( 自分の利益ばかりを考えて災いや困難を他人に押しつけること )』 は中国人の生存法則となったのか?」 と題したブログ記事を発表した。 以下はその内容。

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 上海市を流れる黄浦江の上流に、ここ数日間で漂着した数千頭ものブタの死骸は、浙江省嘉興市で投棄されたものだといわれている。 これでまた、 「嫌なものは他人に押しつける」 という中国の愚劣なサバイバル方式が証明された。 嘉興市新豊鎮竹林村では今年の1月から2月の間に1万8000頭あまりのブタが死亡し、その一部が流れ着いたことを示す数多くの証拠があるにもかかわらず、同村の党支部書記はこれを真っ向から否定し続けている。

 反省するかしないかはともかく、この事件は中国人の劣悪な国民性を示している。 つまり 「自分さえ良ければ、他人はどうなってもかまわない」 という考えだ。

 危険な食品が生産されることに中国人は強い怒りを抱いているが、 「私が他人を害し、他人が私を害する」 という生産スタイルができ上がっている。 中国の食の安全問題は、一見すると生産分野で発生する経済問題のようだが、実際は中国の政治腐敗やいびつな経済倫理、環境汚染の産物なのだ。

 各国の入国管理局のデータによると、2011年だけで実に1万人近くの中国人が海外に移住している。 その主な理由として 「子供の健康的な成長のため」 と 「とにかく健康のため」 の2つが挙げられている。 メラミン汚染粉ミルクに始まり、大学卒業後もコネが必要な教育業界など、中国の社会環境は子供の健康的な成長にふさわしくない。 また、空気や水、土地の汚染は深刻で、食品ですら安全ではない。 人間の基本的な生存要素がすべて破壊されているのだ。

 中国政府は 「人民にとっての良い政府」 を掲げているが、十数億もの人民はこうした欺瞞ぎまんのなかで生きていけるのだろうか?  もし政府トップがこの事件を曖昧なままで終わらせるならば、こうした 「自分さえ良ければ」 という事件が今後さらに深刻な形で発生するだろう。 そして中国人は世界最大の自滅民族となるのだ。





余談

 久しぶりの帰国。 横浜の実家があったところに行ってみたら周りの景色が随分と変わっていた。
 平屋・二階家が殆どだった町並みも、マンション群が林立している。
 実家の周りは30年ぐらい前から朝鮮人が集まりだし、朝鮮人相手の商店が随分と増えた。
 商店街を歩いても喧嘩をしているような耳障りな朝鮮語が飛び交って五月蝿いこと五月蝿いこと!
 街の雰囲気も喧騒として、幼なじみも「この街のから離れたい、此処にはもう住めない!」と随分引っ越してしまっていた。

 商店街を歩くと耳障りな朝鮮語以外に飛び跳ねるような中国語がよく耳に入ってきた …… ???
 ハングルの他に中国語の看板も目に付く。
 買い物をした店のオバサンに聞くと納得。
 電車通りにあった雑貨問屋と倉庫の土地に大規模なマンション(15~6部屋?×10階)が建って、中国人が 1 棟買い! 中国人専用マンションになっているとの事!
 商店街の中には “外国人専用不動産”( 実質、朝鮮人・支那人専用 )の看板を掲げた不動産屋が開業していた。
 朝鮮人が住みだした頃でさえ鬱陶しかったのに、中国人まで住みだして …… この街も終わったネ!

( 2015.11.03 )

  

 「空き家にしておくならば、中国人に売るか、住んでもらえばいいじゃないか」 ―― 空き家問題が深刻化している日本で、こう考える人がいる。
 短期的な金回りを優先すれば、この考え方に合理性はある。 だが、長期的に見た場合、必ずしもそれは最適な解決方法ではない。
 なぜそう言えるのか。 少し長くなるがこんなエピソードをご紹介したい。



 先日、こんな話を耳にした。 自宅の洗面所の配管がつまってしまったので、業者にメンテナンスをお願いしたときのことだ。
 業者のおじさんは約束の時間から1時間ほど遅れてやって来た。 しかし仕事は丁寧で、手際よくS字パイプを分解し、汚れをきれいに取り除いてくれた。
 おじさんの労をねぎらうべくお茶を差し出すと、時間に遅れた理由についてこう語り始めた。
「××市の現場から来たんだけど、あまりに状態がひどくて手こずった。 あの現場は、頼まれてももう二度と行きたくないね」
 おじさんを手こずらせたのは “中国人専用マンション” だった。
 中国人が1棟買い上げて宿舎に改造したもので、1つの部屋に2段ベッドがいくつも置かれているという。 中国人を住み込みで働かせるための、いわゆる “タコ部屋” だった。
 おじさんは言う。
「配管のつまりで声がかかったんだけど、行ってみるとひどいもんだ。 台所もトイレも、汚いったらありゃしない」
 台所のパイプからは女性の長い髪の毛が束になって出て来る。 トイレのつまりは女性用ナプキンが原因だった。 食用油も使い終われば排水口から流すから、塩ビのパイプに分厚い汚れの層ができる。 高圧洗浄をかけてもまったく効果なしだったという。

 中国ではゴミを分別する習慣が乏しい。 2000年代から上海市では 「燃えるゴミ、燃えないゴミ」 の分別を促すようになったが状況は変わらない。 台所のゴミをそのまま排水口に流してしまう家庭が圧倒的だ。 古い集合住宅などでは汚水を1階部分の排水漕に溜め、それを業者が定期的にさらいに来る仕組みになっているので、そもそも分別などおかまいなしなのだ。
 ちなみに一時、中国で 「使い回し油( 地溝油 )」 が問題になったが、その原料は、こうした排水漕の残飯を浚って抽出した油だった。 調理に使った油を古紙に吸わせて処理するやり方は、中国では一般的ではない。

 水が流れれば台所だろうがどこだろうが、お構いなしに洗髪する。 女性は使用後の生理用ナプキンを平気でトイレに流す。 「何でも流す中国人」 ( もちろんそうではない中国人も多いが )に日本のメンテナンス業者が泣かされている。


宿

 中国人による首都圏の不動産購入は、私たちの想像以上に進んでいる。 不動産業界にとっても、中国人投資家はありがたいお客さんだ。 最近は大手不動産業者のみならず、都心の “街の不動産屋さん” にとっても格好の商談相手になっている。

 都内・城北エリアの不動産業者A社は、最近、中国人投資家との契約をまとめた。 中国人投資家は、築年数がだいぶ経った某物件を一棟丸ごと購入した。 用途は中国留学生向けの学生会館だという。 そう称せば聞こえはいいが、現実は二段ベッドを所狭しと並べて学生を詰め込む共同利用の宿舎である( 中国語では 「合租」 と呼ぶ )。
 都内の大手不動産仲介会社・B社も、同じような取り引きをしたという。 営業を担当した社員は次のように話す。
「日本人ではとても住めない窓もないような古い物件を、中国人投資家が数百万円で購入しました。 引き渡しから数ヵ月後に物件を訪れると、二段ベッドがたくさん置かれ、そこに労働者とおぼしき中国人が大勢いて、唖然としました」
 都心の立派なオフィスビルや高級タワーマンションだけが、彼らの狙う投資物件ではない。 買い手のつかないような中古物件でも、彼らにとっては高利回りの好物件なのである。




 だが、問題は 「そこに住むのが、日本のルールやマナーを知らない中国人」 だということだ。
 こうした “タコ部屋” に詰め込まれる中国人には農村部の出身者も少なくない。 台所やトイレ、風呂場の使い方すら教育されていない彼らは、すぐにこれらを壊してしまう。
 水回りだけではない。 元来 「ものを大切に扱う」 習慣のない者たちが居住者となれば、たちどころに劣化は進む。 景観も悪化し、街全体のイメージを損ねることだってある。
 日本の不動産流通の専門家は次のように指摘している。
「中国人が区分所有者になる場合、まずは 『文化の違いを乗り越えられるか』 が大きな問題となります。 中国の人々には 『自腹を切ってマンションの維持・管理を行う』 という意識が薄く、大規模修繕をするか否かを迫られると 『やらない』 選択をするケースが大変多いのです」
 管理と修繕を怠れば、マンションはたちまちボロボロになってしまう。 劣化で資産価値が失われることを少しでも食い止めるには、住人全体が 「共同管理」 の意識を高める必要がある。 だが、そこに 「自分のことだけしか考えない住人」 が入り込み、身勝手な主張を繰り返せば、維持・管理はおぼつかなくなる。
 日本ではマンションの 「杭打ちデータ偽装問題」 が物議を醸しているが、日本のマンション市場にはこうした物件管理上の危機も迫っている。
 「中国人の不動産購入の目的はあくまで投資であって、中国人が住むわけではない」 という声もある。 しかし、中国人が購入した賃貸物件には、中国人が借り手となる傾向が強い。 中国人による不動産投資が増えるにつれて、中国人が隣人となる確率も増す、というわけだ。
 「郷に入っては郷に従え」 ということわざは、もともと中国の 「入郷随俗」 が起源である。 だが、果たして彼らは日本の生活において、中国古来のこの言葉を正しく理解して実行くれるだろうか。

 海外転勤の前に、実家の近くのマンションに 1 年ほど住んでいたことがある。
 引っ越した当時、天気の良い日に窓を開けていると、上の階から 何かが落ちていくのを頻繁に目撃した。
 スーパーで買う生鮮食料のプラトレイが風に舞ってヒラヒラ飛んでいったり、新聞紙、ビニール袋、時には野菜クズ!等々
 そのため隣の家の屋根はゴミだらけ!

 犯人は最上階に住む中国人!
 街中をパジャマ姿で闊歩し、痰・唾を所構わず吐き捨てる。
 この近所では奇人・変人・狂人として有名で、誰も近寄らない。
 コイツらにとって、ゴミはただ捨てればよいだけの世界。
 自分の生活空間以外は、すべてゴミ箱なのだ。
 当然、決められた 「横浜市のゴミ出しルール」 なんて一切無視!

 大部分の中国人はプライドや敬意、生活の意義を理解しない。
 コイツらの価値観は私欲の中にしかなく、生活観は 動物が食欲や性欲を満たそうとするのと同じ本能レベルにとどまっている。

 コイツらが住むようになれば、街は確実に荒れる!






  


 現在、電話や携帯メールなどを駆使した電信詐欺は中国の社会問題の一つとなっている。 詐欺自体はどこの国でもあることだが、中国の詐欺は多様化しており、手口も巧妙になっている。 今年8月には電信詐欺の恐ろしさを物語る事件が起こった。



 8月19日、山東省臨沂区羅庄市の高校生、徐玉玉さんのもとに 「奨学金2600元が支給される」 旨の電話が入った。

 徐さんは電話の指示通りATMにカードを3回差し込んだが、奨学金を手にできなかったため、電話の主に連絡すると、 「ほかにカードはないか」 と言われ、 「学費支払い用のカードならある」 と返答しところ、電話の主は 「学費支払い用のカードはまだ使えない。 使えるようにする必要があるので、口座に入っている学費を指定の口座に移し替えてほしい。 そうすれば、30分後に奨学金を学費と共に学費支払い用の口座に戻す」 との指示があった。

 徐さんは何も疑うことなく指示通り学費9900元を引き出して指定の口座に振り込んだ。 ところが、30分待っても奨学金の入金はなかった。

 そして、彼女は学費を騙し取られたことに気づいた。

 貧しい家庭に育った徐さんにとって、1万元近くの大金が一瞬にして騙し取られたことは大きなショックだった。 地元公安局の派出所へ被害を届け出た帰り道、徐さんの心臓は急に止まり、2日後に帰らぬ人となった。

 もしこの事件がなければ、徐さんは9月1日に南京郵電大学に入学予定だった。 この事件は中国メディアで報道され、多くの人々の注目を集めた。

 周りの中国人たちからは 「何をするにも命が大事だ。 時間がかかっても稼げただろうに」 「金を騙し取られたことは確かに大変なことだけど、今後の人生もっと大きな困難が待ち構えているかもしれない。 気持ちが弱い」 と、お金を騙し取られた徐さんの問題を指摘する声が聞かれた。

 しかし、メディアの報道は、むしろ社会にも問題があるという態度である。

 8月25日付 『新京報』 の評論は、女学生を 「社会経験が浅い」 などと責め立てるのは酷な話であるとして、この事件を学生個人の問題に矮小化することを批判し、次のように述べている。
「公共安全が保障された社会とは、人々に 『護身術』 を学ばせて危機感をなくすようにする社会ではない。 良好な管理が行われ、秩序が健全な公共空間は、人々に詐欺防止を呼びかける必要はなく、 『いい人が騙される』 という傾向がまかり通ることのない場所であるべきである」
 この事件は、 「徐さんの防犯意識の不足が招いた悲劇」 ともいえる。 だが、単純にそう結論付けることはできない。 なぜか。 それは犯人が正確な個人情報を握った上で絶妙なタイミングを見計らって詐欺電話をかけてきているからだ。

 8月17日、徐さんは臨沂区の教育局で奨学金申請の手続きを済ませ、その後教育局から数日後に奨学金支給を告げる電話があった。 そして、19日午後4時頃、徐さんの母親の携帯電話にも直接、詐欺電話があった。 犯人の電話の内容と事実には食い違いがみられなかったため、徐さんも何の疑いを持たなかった。 さらに、彼女の同級生とその親にも奨学金を振り込む旨の詐欺電話があったため、学校や関連機関が厳重に管理すべき個人情報が何らかのルートで漏れていたことはほぼ間違いない。

 電信詐欺が起きても中国の警察はほとんど取り合わないので、正確な被害者数は定かではない。 だが、今回の事件は、全国の人々の注目を集めたため、警察はすぐに動き、容疑者6名が逮捕された。

 しかし、ネット民の反応は 「捕まったのは詐欺グループの末端の雑魚だろう」 と手厳しい。 確かに、非常に正確な個人情報を元にした詐欺だっただけに、情報収集と実際の詐欺行為は別のグループによるもので、犯罪自体は何段階かに役割が分かれていると考えられ、少数の犯行ではないことは誰の目から見ても明らかである。




 現在の中国では、電信詐欺は珍しい話題ではない。 公安部の統計によると、2011年、2012年、2013年に全国で起こった電話・電子メール・携帯メールなどを利用した詐欺事件はそれぞれ10万件、17万件、30万件だったが、2014年は40万件、2015年は59万件に急増し、被害金額は222億元に達した。 そのうち、100億元余りは台湾からのものである。 電信詐欺は 「まず台湾で盛んになり、その後、東南アジアや東アジア、大陸部に蔓延した」 というのが大方の見方になっている。

 なぜ電信詐欺が起こり、それが拡大するのだろうか? 理由は三つあると思う。

 一つ目の理由は、拝金主義によるモラルの欠如である。 改革開放以来、中国は市場経済を取り入れた経済建設を行い、人々の生活水準を向上させたが、その一方で拝金主義が横行し、 「金のためなら手段を選ばない」 「自分さえ儲かればそれでいい」 という風潮が現れた。 そのため、専ら個人の利益を追求し、他者のことを考えないという 「秩序を欠いた競争」 が見られるようになった。

 二つ目の理由は、改革開放の 「負の遺産」 ともいえる経済格差により、詐欺グループが生まれ、勢力が拡大したことである。 周知のように、一部の地域から豊かになることを容認した改革開放路線は、格差拡大を招いた。 北京や上海などの大都市に比べ、内陸部は所得、民度ともに低い。 また貧しい地域では教育を受ける機会に恵まれない人たちもおり、そういう人たちは高い所得を得られる仕事に就けない。 そのため、一部の者はこうした犯罪に手を染める。 今回の徐さんの事件の犯人も貧しい地方の出身だった。 その傾向は詐欺の 「職業化」 を助長することになる。

 三つ目の理由は、個人情報の漏洩である。 中国に長く滞在している人は 「中国にはプライバシーはない」 と冗談でいうが、それは一定の説得力がある。 先進国では、個人情報の漏洩は信用問題にかかわるため、厳重に管理し、それに関する法律も整備されている。 中国は、だいぶ改善されてきたものの、個人情報がどこからか漏れており、連絡先を教えたはずのないところから電話がかかってくることもある。

 例えば、住宅を購入後、リフォーム会社から電話がかかってきたり、子どもが生まれた後には、粉ミルクや記念写真撮影の営業電話がある。 それは、各部門が個人情報を他に転送する各段階でどこからか漏れていると考えられる。

 9月6日付の 『財新ネット』 の報道によると、列車の切符や航空券購入時の個人情報、携帯電話を換えた際の情報、同アプリの中の個人情報、公共Wi-Fi、ソーシャルメディア、インターネット調査の個人情報が漏れている可能性があり、そしてそれを業者が広告業者に売り、一部が詐欺グループの手に渡るという。 この個人情報の漏洩は、電信詐欺の温床となり、先に述べた事件のような悲劇を生むこともあるので、対策は急務である。

 以上の理由から拡大している電信詐欺。 現在の中国は 「インターネット+」 を掲げて国策としてインターネットの発展を推進しており、その一方で詐欺グループはIT技術を駆使して個人情報を盗み出そうともしているため、 「高度化」 する彼らの技術とそれを防ぐ技術の戦いとなっている。




 現在の中国の詐欺は 「職業化」 し、多様化している。 日本でよく見かける 「オレオレ詐欺」 や 「あなたは○○に当選しました」 ということを電話やメールで告げる当選詐欺は中国でも多いし、性的に不能な夫を持つ富裕層の 「奥さん」 を騙り、 「私を妊娠させれば高額の報酬を払います」 という広告を出して、手続費などの名目で金を騙し取る 「重金求子」 詐欺、また航空会社職員を騙って 「搭乗予定の便がキャンセルになったので、払い戻しや変更を行う」 といい、手続費の名目で金を振り込ませる詐欺もある。

 人々の欲望や不安に付け込む詐欺の手口というのは万国共通である。 とくに、当選詐欺や 「重金求子」 詐欺は高額の収入を楽して得たいという人間の心理をうまく突いている。 冒頭の事件も、奨学金を得て両親の負担を減らしたいという女子高生の思いをうまく利用したものだった。

 こうした状況を受けて、中国共産党中央と中国政府も電信詐欺撲滅に動いた。 習近平総書記、李克強国務院総理ら党と政府の指導者は、電信詐欺の撲滅を関係部門に指示した。

 電信詐欺対策は治安維持を担当する公安部門のみではなしえず、多くの部門間の協力が不可欠である。 そのため、2015年6月に、公安部、工信部( 工業・情報化部 )、中国人民銀行、銀監会( 中国銀行業監督管理委員会 )など23の部門や機関から構成される連席会議制度が国務院の承認を得て設けられ、関係各部門の連携によって中国社会にはびこる電信詐欺の撲滅を目指した。 これにより、多くの部門が秩序立てて電信詐欺退治に関わり、迅速に行動を起せるような態勢が整った。

 こうした協力体制の下、中国は電信詐欺撲滅を目指して次の対策を講じている。 まずは個人の防犯意識の向上を呼びかけることである。 これについては、テレビ、新聞などの主流メディアやその他メディアでも詐欺に対する注意を喚起している。

 また、南京郵電大学の楊震学長は今年の両会( 全国人民代表大会、政治協商会議 )で、 「楽して利益が得られることなどない」 と個々人の防犯意識の向上を呼びかけている。 今後は徐事件の教訓を生かし、詐欺のターゲットになりやすい学生に向けても関連の教育を行う必要があろう。

 次に、公安部門が他の部門と協力して犯人の割り出しを行ったり、詐欺行為の取り締まりを強化したりする詐欺撲滅行動である。 それは、2015年11月1日から半年にわたって行われ、その後2016年末まで延長された。 ケニアとマレーシアなどを拠点に中国人を狙った電信詐欺を行っていた台湾の詐欺グループを中国に送還させるなど、一応の成果は挙げたが、詐欺を撲滅するには至っていない。

 これについては政府も認めており、2016年2月25日、電信・インターネット新型違法犯罪撲滅工作部の第二回連席会議が開かれ、会議を招集した郭声■・公安部長( ■の文字は王へんに昆 )は 「現在ものすごい勢いで増えている電信・インターネット違法犯罪を根本的に封じ込めることができていないため、人々の不満の大きい重要問題となっている」 と述べて、詐欺問題対策が楽観を許さないことを示唆している。




 2010年から一貫して電信詐欺に注目している全国人民代表大会代表の陳偉才氏は、 「銀行と通信事業者は電信詐欺の 『最大の支援者』 であり、悪党を助けて悪事を働くのだ」 と述べ、銀行と通信事業者への監督管理がゆるく、はなはだしきは放任している状況を批判した。

 陳氏は、犯罪グループは大量の電話カードやキャッシュカードを持っているが、それは通信事業者、銀行双方に問題があるためだと指摘している。 例えば、通信業者には、ネットでの電話番号変更を頻繁に行って管理を難しくしており、ひどいケースになると一部従業員が犯罪に加担するといった問題が見られる。 銀行には、カードの乱発、実名制の不徹底といった現象が見られ、これらの問題は詐欺事件が後を絶たない原因の一つとなっているという。

 陳氏はさらに、 「私は最近、広州駅で電話カードを買ったが、個人情報を登録する必要がなかった。 このことは携帯電話の実名制が真に徹底していないことを示している」 と述べ、厳しいとされた実名制が機能していないことを問題視している。

 8月26日付 『人民日報』 掲載の評論も、 「実名制の実施が厳密ではなく、電話番号の実際の帰属地が不明なことと監督管理措置が行き届いていないことが架空の通信業者を生み、それを電信詐欺の温床にしている」 と述べ、2013年より始まっている実名制が思うような結果を出していないと指摘している。

 社会の安定は、習政権にとって最も重要な課題の一つだ。 それは不満分子による暴動、中国共産党のイデオロギーに反対する思想の広がりを抑えることも社会秩序の安定を保つことだが、詐欺の拡大傾向も、人々の生活を脅かすものであり、それを放置することは政権の安定も揺るがす恐れがある。 ゆえに、大衆の利益を守ることを理念とする中国共産党はこの取り組みを重視している。

 ただ、実名制の例でも見たように、電信詐欺の拡大は政府の措置の不徹底が招いたことは否定できない。 政策措置の不徹底は、他の分野でもいえることである。 そのため、習政権は厳しい党改革を実施して 「不作為」 幹部を厳しく処罰している。 さらに、2014年10月に開かれた中国共産党第18期中央委員会第四回全体会議は 「依法治国( 法によって国を治める )」 を再度提起し、すべての政策措置は法的裏づけが必要で、全党・全国民が 「ルールを守る」 意識を持つことを強調した。 今後の詐欺対策が有効に機能するには、政府の政策措置の徹底がカギとなる。

 今回取り上げた電信詐欺についていうと、前出の楊震氏は個人情報の保護に関する法律制定を提案しているが、この法律制定が実現しても、実行されないのでは意味がなく、それを徹底させることが非常に重要である。





( 2016.10.20 )

 
   



中国の人民元紙幣。農村ぐるみの詐欺事件が多発している
 中国の国内メディアで最近 「詐欺の郷」 という言葉をよく見かける。 農村部の村々の集合である 「郷」 で、郷民の多くが詐欺集団と化し、郷ぐるみの詐欺犯罪を行う、という意味である。

 たとえば、江西省余幹県の江埠郷は、 「子供を欲しがる貴婦人詐欺」 の本拠地として有名である。

 各地で発覚したこの詐欺とは 「夫から莫大ばくだいな遺産を相続した子を持たない貴婦人が、子作りのパートナーとなる若く健康な男性を大金で募集する」 という嘘のメールを不特定多数に送り、釣られた人に 「信用保証金」 を要求するという手口である。 これまで、この詐欺で全国で捕まった360数人のうち、200人程度が江埠郷の石渓村と李家村の村民であることが判明している。

 2つの村の村民の大半が詐欺に関わっており、多くの場合、家族単位、あるいは親族単位で詐欺グループを作り、 「貴婦人」 「弁護士」 を演じる役割やネット情報を拡散する役割を分担し全国で暗躍してきたという。

 福建省安渓県の長坑郷は、 「電信詐欺」 と呼ばれる中国版オレオレ詐欺の犯罪基地として名をはせている。 もともとウーロン茶の産地であるこの郷は経済低迷で製茶産業が凋落ちょうらくしたなか、郷民たちは一斉に家族ぐるみ、あるいは村ぐるみの 「詐欺産業」 を起こしていったのである。

 長坑郷の村々では、郷民たちが数十の詐欺集団を作った。 各集団の中では、メールアドレスや電話番号などの個人情報を不法な手段で入手する 「情報組」、全国の個人に電話をかけまくる 「電話組」、だましたお金を確実に受け取るための 「集金組」 を作り、日常業務としての詐欺活動を展開している。

 最盛期に、長坑郷から発信されたオレオレ詐欺の電話とメールは一日、100万本以上に上り、全郷住民3万人のうち、1万人程度がオレオレ詐欺の容疑で捕まった前科があるという。 まさにその名の通りの 「詐欺の郷」 である。

 湖南省双峰県の場合、それはもはや県内の郷ではなく、県全体が 「詐欺の郷」 と化していた。

 人口95万人程度の双峰県は、昔から偽証明書の製造が “地場産業” となっていたことで有名だが、数年前から 「合成写真詐欺」 が新たな産業として盛んになった。 全国の党・政府の幹部や企業経営者の個人資料とその写真を収集してきて半裸や全裸の美女との合成写真を作り、本人に対して、恐喝とゆすりを行うのである。

 国内有名紙の新京報が今年4月26日に掲載した記事によると、双峰県の 「合成写真詐欺産業」 は既に県民総出の一大産業となり、県内の走馬街鎮では、鎮民7万人のうち、少なくとも2万人が偽証明書作りか合成写真詐欺に従事したことがあるという。

 以上は、最近中国で話題となった 「詐欺の郷」 のほんの一端である。 一握りのならず者がひそかに犯罪を行うのではなく、1つの村、1つの郷、あるいは1つの鎮全体において人々が半ば大っぴらに 「詐欺という名の産業」 を起こしているところに特徴があろう。

 このままでは、中国で 「詐欺の郷」 にとどまらず、 「詐欺の県」 あるいは 「詐欺の省」 も輩出しかねない状況だ。 あるいはいつか、中国という国自体が 「詐欺の国」 となっていくのかもしれない。 …… きっとそうだろう。