( 2010.09.22 )

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 江蘇省南京市では、多くの飲食店が肉質を改善する目的で、 「嫩肉粉」 と呼ばれる粉を使っている。 「腐りはじめていても、水洗いして嫩肉粉を使えば、新鮮な肉と同じ味・食感」 になるので、 “重宝” されているという。

 特に焼肉店の場合、 「嫩肉粉」 を使っているケースがほとんどという。 羊の焼き肉が主流だが、南京市周囲は羊の産地でないため、冷凍されて遠方から輸送されてくる。 「嫩肉粉」 を加えれば、 「新鮮な肉」 になってしまう。 その他の料理でも、 「嫩肉粉」 は一般的に使われている。

 中国では国家基準で、食品添加物として 「嫩肉粉」 を認めている。 主成分はたんぱく質分解酵素だ。 しかし実際には、リン酸塩や炭酸ナトリウム、さらに発色や風味を増すために亜硝酸塩も加えられている。

 最大の問題は亜硝酸塩だ。 ハムなどの製造で一般的に使われているが、1キログラム当たり500ミリグラムまでと定められている。 市販されている 「嫩肉粉」 を、 「説明書」 通り使うと、肉1キログラムあたり3180ミリグラムの亜硝酸塩を摂取する計算になる。 腐敗しはじめた肉に使う場合、さらに使用料を増やすことが一般的だ。 亜硝酸塩は300-500ミリグラムを摂取すると中毒症状を起こし、ひどい場合には死亡するとされる。 少量でも食べ続ければ、発がん性があるとの指摘もある。

 「嫩肉粉」 をどの程度使うかは、 「店の経営者の良心次第」 という。 30年以上にわたり調理師を務め、2009年に定年退職した鄭幼華さんは、 「私は使う気になれなかった」 と断った上で、 「多くの飲食店で使っている。 口当たりとコスト削減のためだ」 などと説明した。 使用のテクニックもさまざまという。 鄭さんは 「まして、自分の家で食事を作るならば、絶対に使わないよ」 と述べた。