( 2007.08.13 )
活発化する中国のスパイ活動
  露などに比べ突出

 米の捜査当局が中国のスパイ活動防止に奮闘している。 米連邦捜査局( FBI )スパイ防止活動局のブルース・カールソン氏によると、2001年以降、中国のスパイ活動は12%増加しているという。

 カールソン氏は「 国家の安全保障に関する情報だけではない。 中国は個人が持つ機密情報を買う人間を見つける闇の技術市場を操作。 産業スパイの3分の1に中国がかかわっている。 基本はカネ。 米国内にはカネがほしい人間がおり、経済成長が著しい中国政府はそれを払う力がある 」 と明かす。
 FBIは2005年10月28日、カリフォルニア州の国防関連企業パワー・パラゴンの中国系従業員チ・マク容疑者( 66 )と妻のレベッカ容疑者を逮捕、中国に向かおうとした弟夫婦も空港で拘束した。 マク容疑者が盗んだ海軍と米航空宇宙局( NASA )の技術情報が入ったディスクが弟のかばんから見つかったという。
 マク容疑者の自宅からはエレクトリックボート、レイセオン、ノースロップ・グラマンなど防衛関連企業の900件以上の機密情報も見つかった。 FBIがマク容疑者の監視を始めたのは04年2月。 2万件以上の電話盗聴など容疑を固めるまでに長い時間と労力を要した。

 スパイ活動防止の専門家ジョエル・ブレンナーさんは「 中国は米の軍用、民間両方の最新技術を盗もうと全力を挙げている。 産業情報を入手できれば開発時間を節約でき、他に先行できるからだ。 先進国における中国のスパイ活動は常識。 ロシアやキューバ、イランなどに比べても突出している 」 と警告している。






   






 


 上海日本総領事館の領事( 46 )=当時= が中国当局が用意した色仕掛けにハメられ、昨年5月に自殺していたことが分かった。 亡くなった領事は外務省と領事館の暗号通信を担当。 領事の自殺は暗号解読をねらった中国当局の執拗な恫喝が原因だったとみられ、中国政府の外交官に対する非道な工作活動に波紋が広がるのは必至だ。

 領事は昨年5月6日午前4時ごろ、上海総領事館の宿直室で首をつって自殺した。 領事は旧国鉄出身で、分割民営化後に外務省に入省した。 米・アラスカのアンカレジやロシアに勤務した後、平成14年3月に上海総領事館に単身赴任した。

 赴任後、領事は同僚に連れられ、外国企業が多く集まる虹橋地区にあるカラオケクラブに足を踏み入れる。 そして、1人のホステスに魅せられ、足しげく出入りするようになった。

 クラブは事実上、個室で、ホステスが “接待” してくれる。 そのうち、ホステスは中国当局に摘発され、取り調べで上客だった日本人の名を供述するよう強要された。

 供述の中に領事の名前があることに目を付けた当局は、15年6月、このホステスを利用して情報機関に所属する工作員の男に領事を接触させた。
 当初、工作員は機密レベルの低い情報提供を要求。 領事は昨年4月に外務省へ転属願を提出し、ロシアの総領事館に転勤が決まったが、工作員の男は、ホステスとの関係を 「 領事館だけでなく、本国にバラす 」 「 ( 女性との )関係はわが国の犯罪に該当する 」 と何度も脅迫した。 同年5月に入り、工作員の脅迫はエスカレートし、転勤先のロシアの情報も提供するよう迫られた。

 きまじめだった領事は工作員と深い付き合いとなってしまったことに責任を感じ、総領事や妻、同僚に計5通の遺書を残して自殺。 総領事あての遺書には 「 自分はどうしても国を売ることはできない 」 などと記されていたという。

 領事は外務省と総領事館の衛星通信や情報伝達を担当する 「 電信官 」 で、総領事しか知らない国家機密も把握。 特に衛星通信に使われる極めて複雑な暗号の解読方法を熟知していた。

 中国当局はこの暗号に強い関心を示し、領事が転勤と決まるや何とかして暗号の解読を引き出そうと、強い圧力をかけたものとみられる。

 冷戦さながらの色仕掛けによる諜報戦。 外務省は、国を守ろうと “殉職” した職員について事実関係を一切、公表していない。
 





( 2005.12.28 )

 
   


 経済政策の大失敗で政治家としての政治的力量の限界を露呈した橋本龍太郎総理が今、国際的にも国内的にも 「 メガトン級のスキャンダル 」 に見舞われている。 これまで再三、夕刊紙や週刊誌で報道され、国政の場でも取り上げられた橋本総理の中国人女性スキャンダルが再燃、新たに衝撃的な疑惑が浮上した。

 5月2日発売の月刊誌 「 諸君! 」 ( 文藝春秋のオピニオン誌 )6月号誌上で北京・長春現地取材による橋本総理と中国人女性工作員との 『 ただならぬ関係 』 をスッパ抜いたのは大宅賞作家でフリージャーナリストの加藤昭氏。

 注目のスクープ記事は 「橋本首相 『中国人女性』 とODA26億円の闇」 というタイトルが付けられ 「ハシモトはまだ認めないのか。 彼は 『不明智( 愚か者だ )!』 ─── かつて野坂参三の正体を暴いた筆者が首相の 「中国疑惑」 に挑戦。 数々の重要証言が炙り出した 『深いクレバスに陥ちた』 愚相の顛末。」 というリード文で始まっている。


日本国総理の資質が問われている
   「メガトン級のスキャンダル」 が発覚!


 橋本総理は国会答弁で問題の中国人女性との交際を認めたうえで、この女性が単なる通訳である、と強調している。 しかし、 「 諸君! 」 の記事では問題の中国人女性の元同僚や上司が複数、実名で登場し、この女性が単なる通訳ではなく明確な目的を持って橋本氏に接近、目的を遂行するために 『 親密な関係 』 を結んだ事実を証言している。 問題の中国人女性の元同僚の申光女史は、こう証言している。

 「 彼女が単なる通訳という表現はあたりません。 彼女は実際、衛生部外事処内の決定によって、中日間で合意された無償援助プロジェクトの項目責任者に指名されています。 担当したプロジェクトは2つです。 1つは北京市の中日友好病院のための日本からの無償援助。 もう1つは長春市の白求恩医科大学付属病院に対する無償援助。 いずれも大規模かつ重要な建設事業でした 」

 橋本総理と 『 親密な関係 』 になった問題の中国人女性は、橋本総理が国会で答弁しているような単なる通訳ではなく、日本からの無償援助によって2つの病院の促進を図るための 「 項目責任者 」 という特別な任務を担っていたということだ。

 特別の任務を担っていたこの中国人女性は橋本総理にどう接してきたのか。

 「 そこが中国の行政システムの独特のところで、簡単に言えば、無償援助を受ける国の言葉を話せる人間、たとえば相手国が日本なら日本語を理解できる人間が、対象プロジェクトの担当者、すなわち項目責任者と通訳を兼任しているという、極めて合理的なシステムなのです。 従って、表向き彼女は橋本先生の通訳として行動するのですが、実際はできる限り先生に随行する機会を増やし、自分に与えられた項目責任者としての任務を促進させるべく先生に働きかけるのがその役割なのです。 こうした役割を担った通訳のことを中国では 『 陪同翻イー 』 ( ベイトンファンイー )と呼んでいます。 橋本先生が彼女の身分をどう解釈していたはともかく、彼女にとって先生は間違いなく陪同翻イーの対象としての存在だった、とよいと思います 」 ( 申光女史 )

 この申光女史の証言は極めて重要である。 橋本総理は、項目責任者としての特別の任務を担っていた問題の中国人女性を単なる 「 通訳 」 と思い込んでいたばかりか、日本からの無償援助を引き出すための工作対象者として、工作を受け続けていたのである。 問題の中国人女性は、通訳や 「 情報部員 」 などちうものではなく、明確な目的を持って日本の厚生族の 「 新御三家 」 の一人である政治家・橋本龍太郎に接近した工作員だったのだ。

 工作員である問題の中国人女性は、特別の任務を達成するために自らの肉体を武器に橋本総理との間に 『 親密な関係 』 を結んだ、という構図だ。

 駐日中国大使館元参事官で、文化部中国対外文化連絡委員会( 現・文化部対外文化連絡局 )の司長( 次官 )にあった元中国政府高官は、こう証言している。

 「 私が知る限り、二人が 『 男女の仲 』 であることは疑う余地はない。 そんなことはすでに周知の事実だ。 だが、彼らが親密な間柄だからといって、一体何が問題なのか。 彼らが肉体関係を持っていたからといって、中日両国の法律に抵触したわけではないし、両国関係の悪化を招いたわけではない。 合理合法なのだ 」

 この中国側の証言で問題の中国人女性が日本からの無償援助を引き出すための工作員として橋本総理に接近したことは事実である。 中国国内では問題の中国人女性の行動が 「 合理合法 」 であったとしても、その工作を受け続け 「 個人的交際 」 を国会の場で認めた橋本総理の、日本国の指導者としての資質の欠如は明らかである。 10年以上も工作を受け続けた橋本総理は、無知、無防備、外交音痴、脇の甘い政治家と言わざる得ない。

 これまで永田町では橋本総理の女性スキャンダルについて 「 橋本さんの女性スキャンダルは免疫ができているから問題にならない 」 ( 自民党関係者 )といわれてきた。 しかし、今回の中国人女性スキャンダルは、単なる女性スキャンダルでは済まされない問題をはらんでいる。 かつての宇野宗佑総理( 当時 )の 「 三本指女性スキャンダル 」 とは、背景も本質も全く次元が違うのである。

 要約すれば、わが日本国の橋本龍太郎総理大臣は約10年間にわたって、中国の女性スパイ( 工作員 )の工作を受け続け、ODA26億円を中国に拠出したのである。 しかも、この間、中国人女性工作員との間で肉体関係があったと中国側から証言されているのだ。

 結果的に中国人女性工作員の工作に陥ち、日本の国益を損なった人物がよりによって総理大臣とは何とも嘆かわしい限りである。 総理官邸と加藤紘一幹事長、野中広務幹事長代理ら自民党執行部中枢は 「 諸君! 」 に掲載された中国側の証言を含め、一切無視する方針のようである。

 一方、5月8日に予定されている自民党総務会で国益という視点から 「 諸君! 」 ( 6月号 )の記事が総務の間から取り上げられるか、関心が集まっている。


沈黙する新聞・テレビの責任放棄と職務怠慢?

 実に奇妙なことであるが、時の最高権力者である橋本総理に関わる国際的スキャンダルをスクープした 「 諸君! 」 の記事に対し、新聞・テレビは、完全に沈黙している。

 同誌が発売される直前に記事のコピーを入手、読み終えた大手新聞各紙の政治部と社会部の記者たちの反応は、異口同音に 「 凄い内容だ。凄い取材だ。 しかし、新聞としては記事にはできない。 国会の場で取り上げられたり、自民党の総務会で話題になれば、その時点で記事にする。 うちだけが突出することはできない 」 というものであった。

 この国の新聞は時の権力に弱いという体質がある。 かつて雑誌 「 文藝春秋 」 に田中金脈問題や女性金庫番のスクープ記事が掲載された時も、新聞記者( 政治部記者 )らは 「 文春に出た話は、われわれは以前から知っていた 」 と、釈明した。

 総理官邸の敷地内にある内政記者会( 記者クラブ )には新聞・テレビを合わせると100人以上の記者がいる。 午前と午後の2回、スポークスマン役の村岡兼造官房長官が定例の記者会見を開いている。 この時に、橋本総理と問題の中国人女性に関する中国側の衝撃的な証言について、率直に質問すればよいのである。 しかし、残念ながら、日本の新聞・テレビは、 「 諸君! 」 に掲載された記事について、橋本総理ばかりか村岡官房長官にも取材した形跡が全くない。

 大手新聞・テレビは北京に支局を持っているのであるから 「 諸君! 」 の取材に応じた中国の関係者、同高官に同じ質問をすれば、済むことである。 しかし、大手新聞・テレビの北京支局はこの問題に関する記事を打電した形跡がない。 この国の新聞・テレビはどうなっているのか。





( 2010.07.29 )


 戦後初の民間人大使として在中国日本大使に起用された伊藤忠商事元相談役の丹羽宇一郎氏が、大使館スタッフに、女性のいるカラオケ店への入店禁止令を出したと報じられた。 俗にいう 「ハニートラップ」 による情報漏えいを警戒しての措置と伝えられている。


 7年前、中国南部の都市にある高級クラブで、Aさんというホステスに遭った。 同省の大学へ通う現役女子大生の彼女は、東北部の出身。 両親はともに公務員、特別に金持ちというわけでもないが、彼女の学費くらいは送金してやれる懐事情だそうだ。 そんな彼女がホステスとして働いている。

 「 お金欲しいですから。 ここにいるとお金持ちと知り合えますし 」

 カラリと笑いながらこういった。

 金持ちと知り合うといっても、客の男たちは大半が相当年上の妻帯者。 彼女のボーイフレンドや結婚相手にふさわしい相手ではもちろんない。

 「 彼氏とか結婚とかはまったく別の話ですよ。 ここで知り合う人からはお小遣いをもらったり、何か買ってもらったり。 友人の中には特定の人の愛人になった子もいますよ。 私? そうですね、条件次第ではそれも悪くない 」




 繰り返すが、Aさんは極貧の出ではない。 金目当てという点は共通しているが、中国の水商売の女性というと、おしなべて貧しい農村出身の女子というステレオタイプの構図はとうの昔に変わっている。 生活のための金に困っている訳ではないが、贅沢に育てられた世代ゆえ、自身の欲を満たすためにつねに金が必要、そういう女子も少なくないのである。

 店の客からお小遣いをもらう場合、性的関係を迫られない? と聞くと、 「 へへ 」 と笑い、 「 関係しなくてもお金はもらえる 」 とAさんはいった。

 今のところ彼女はお小遣い稼ぎのための 「 気まぐれ水商売 」 である。 しかし、大学の寮に住むのが嫌で、親友と2人で新築アパートを借りて住み始めたといっていた。 そのくらいの稼ぎはあるということだ。

 Aさんのようなケースは近年珍しくはない。 ほかの町でも女子大生ホステスに遭ったことがある。 ホステスとして働くうちに町の有力者の愛人となった女子大生が、恋人と結託してその有力者を殺したという事件もあった。

 生活に困らず、エリートでもある女子大生が水商売で働くという現象自体は、今から20年以上も前の日本でも、女子大生ホステスや愛人バンクに登録する名門女子大生が現れ、話題になったのと似た現象といえるかもしれない。

 日本ではその後、女子高生の援助交際が話題となり、中学生、ついには小学生もという話までが伝わり、性意識の変化や性の商品化、その低年齢化の話題に人々が驚かなくなってさえいる。

 中国の女子大生ホステスや女子大生愛人もいつか来た道、という見方をするのは、しかし早計だろう。 中国では依然として、女子大生ホステスが働くその同じ店に、貧しい農村から出てきて文字もろくに書けない女子も大勢働いている。 その延長線上には、昔ながらの構図で生きるために売春を行なう女性も、その予備軍もまだまだ大勢いる。

 また、贅沢好きな女子大生の小遣い稼ぎ水商売についても、かつての日本では、 「 社会勉強 」 のひとつなどの動機をもつ女子もいたが、中国の女子にそういうノリはない。 もっとシビアに 「 金 」 に焦点が絞られている。




 2009年、北京大学の教授を中心に行なわれた調査で、半数近い女子が16歳未満で性交渉を持ったとの回答があったと伝えられた。 中国の農村部では今でも、性的暴行や15、16歳での結婚というケースもある。 しかし、この調査が明らかにしたのは、そうしたケースに当てはまらない若い女子の性意識が、 「 過剰に 」 開放化されていることのようだ。

 たしかに、某名門大学近くの路上の塀には 「 妊娠中絶 」 や 「 性病治療 」 を謳った病院の広告が山ほど貼られていたし、大学生と話すと、 「 親の世代はいざ知らず、自分たちの世代で結婚まで性体験のない女性など皆無 」 と口を揃える。

 経済開放から30年、性の開放はそれに呼応して着実に、というよりむしろ経済成長以上の速度で進んでいるかのようだ。 呼応して、性の商品化の広がりもますます盛んとなる。




 これに対して中国当局は、大勢逮捕した売春婦を市中引き回してさらしものにするという、人権無視の荒業に出てみたり、道徳教育の運動を進めてみたりするもののほとんど効果は見られない。

 これらは滑稽ともいえる話で、地位にものをいわせて何人もの愛人をもち、性の乱れの助長役となっているかのような当局の関係者が、いくら 「 道徳 」 を訴えるパフォーマンスをやってみたところで一向奏功しないのは当然といえば当然だ。

 中国の社会で女性の性意識の開放が進むこと自体は悪いことではない。

 世界の歴史の例にもれず、中国でも伝統的に、性はつねに男性主導のものであった。 見方によれば、他国以上に男本位の性の価値観が幅を利かせてきたといえるかもしれない。

 たとえば、宋代頃から清の末期まで女性の纏足という旧習があった。 これについて日本では、 「 小さい足が美人の条件だったため 」 などとその主旨が語られるが、実のところは、男性の性への価値観が色濃く反映された習慣であったようだ。

 小さい足でよちよち歩く様はセックスアピールがあるとされ、小さい足で歩くため太腿の筋肉が発達するので、男の性感が高まると考えられたためだったとの説がある。

 ともあれ、現代の 「 開かれた中国 」 で女たちも性を謳歌し始めた。 それは悪くない。 問題は日本以上に、女性の間で性に関する正しい知識がもたれていないことにある。

 一人っ子政策という産児制限が長らく続いてきたにもかかわらず、避妊に関する正しい知識も普及しているとはいい難い。 むしろ、時には政府による強制堕胎が進められてきたことの負の効果か、一般的に妊娠中絶、堕胎についての抵抗感が薄い

 学生など若年層の顧客獲得のため、最近では、クリニック等による中絶手術の 「 安売り競争 」 が盛んでその種の広告が氾濫している。 一方で性感染症に関する知識も広まってはいず、HIVが日常的な接触で感染するのではないかとの誤解は今も根強い。




 HIVに関して、中国政府は発症者への無料治療という策を打ち出しているというが、当然、全国で徹底して実施されているわけではない。 中国では他の政策、たとえば義務教育の無料化などを首相が宣言しても全国で実施されることはなく、 「 国が大きいから政策が徹底されるには時間がかかる。 仕方のないこと 」 というおきまりの言い訳がされる。

 HIVについては、国民の間での知識不足もあって感染者は増え続け、とくに近年、女性の感染者増加は著しい。 日本人の大使館員やビジネスマンは、中国での女性との接触に際して、従来のような情報漏えいや、金品を巻き上げられるといったリスクの前に、まず性感染症のリスクをより強く心に留める必要が出てきたのである。

 これらの事情とあわせ、あらためて考えてみると、カラオケ店への出入り禁止令などほとんど無意味ではないかという気もしてきた。 最大限好意的に考えれば、万事に緊張感をもて、という意味での 「 喝 」 であれば理解できなくもないが。

 カラオケ店や高級クラブで知り合った女性と親密になったら云々 …… とか、マッサージを呼んだら云々 …… などの古典的な 「 手口 」 でのハニートラップよりもむしろ、現代で警戒すべきは別の筋ではないだろうか。




 かつてのように外国人と一般の中国人女性との接点が限られていた時代とは違うのだ。 町のいたるところで中国人女性と自由に出会い、自由に恋愛に発展し得る現代では、それこそハニートラップは至るところに仕掛けられているともいえる。

 何者かによって初めから差し向けられた女性ではなく、初めは単に男女として出会い、関係が深まったところで状況が変化するというケースが十分考えられる。

 ハニートラップとは異なる例だが、2年前に長野で起きた、五輪聖火リレーの際の顛末を思い出してほしい。

 あのときバスで長野に集結し、五星紅旗を振り回して奇声を上げ、騒ぎの後には 「 抗日勝利 」 を叫んだ在日中国人留学生の大半が、初めから 「 工作員 」 として送り込まれた若者であるわけではない。 しかし、そこは独裁国家という体制下の国民たち。 本人さえも意識しないうちに、何がどう転んで 「 国家のまわし者 」 となるかは知れたものではない。

 初めは自由恋愛のつもりが、いつしかどこかからリモコン操作されていた。 そんな女性がいても何ら不思議ではない。 まして、金が絡めばその可能性はなおさら高まる。

 私の周囲には、 「 1度でいいからハニートラップにかかってみたい 」 などという軽口をたたく日本人男性が結構多い。 暗に 「 自分は引っかからない 」 と言いたいのだろうが、こと 「 男女のこと 」 に関する限り、男の自己評価ほど当てにならないものもない。

 個人差があるとはいえ、世界標準で見れば、概してナイーブな御仁の多い日本人男性の皆さま、中国での女性との出会いにはくれぐれも気を引き締めて臨まれますよう。





色仕掛けの方も盛んのようで!

( 2011年03月09日 東亜日報 )


 中国・上海市の韓国総領事館に勤務していた領事らが中国人女性と相次いで不適切な関係を結び、機密を漏えいしていた疑いが強まり、金正基( キム・ジョンギ )元駐上海総領事が8日、国務総理室( 首相室 )公職服務管理官室の事情聴取を受けたことが分かった。 これまでの調べで、複数の領事館関係者が問題の女性をめぐり対立関係にあったことが浮かび上がってきた。

 事件は、問題の女性の夫で韓国人のJさんが「 金元総領事をはじめ上海総領事館の複数の関係者が、自分の妻と不適切な関係を結び、国家機密を流出させた 」 と韓国大統領府( 青瓦台 )などに告発し、処罰を求めたことが発端となった。

 このうち、金元総領事は「 今回の事件は『 美女スパイ 』 事件ではなく、情報機関が私を陥れるために組織的に行ったものだ 」 と証言した。 本紙が入手した金元総領事の15ページにわたる説明資料によると、金元総領事は同じ時期に勤務していたJ副総領事を事件の中心人物として名指しした。

 上海総領事館ではこれまでに、法務部( 省に相当 )から派遣されたH領事、知識経済部から派遣されたK領事、外交通商部のP領事がこの女性をめぐり問題を起こし、本国に召還されているが、それ以外にも金元総領事と当時の副総領事が対立関係にあったことになる。

 公職服務管理官室は8日午後、金元総領事をソウル市鍾路区の政府庁舎別館に呼び、問題の女性と一緒に写真を撮影した際の経緯をはじめ、総領事館の文書や2007年に行われた大統領選当時のハンナラ党の非常連絡網などが流出した経緯などについて取り調べた。 金元総領事は「 女性は韓国が好きなため、総領事館を随分助けてくれたので会っただけで、その際にも疑わしい行動を取ったことは全くなかった 」 と語った。

 金元総領事は本紙記者の取材に対し、中国側に流出したとされるハンナラ党の党協議会委員長リスト、07年の大統領選対策本部の連絡先について「 総領事事務室の机の引き出しに入っていた非常連絡網を、何者かが写真撮影して流出させたものだ 」 と述べ、韓国の情報機関による関与を示唆した。 これに対し、情報機関出身のJ副総領事は「 なぜそんな発言が出るのか分からない 」 と反論した。

 一方、外交通商部は約1年前から上海総領事館周辺で機密流出の疑いがあることを把握し、内部調査に乗り出したが、関係者が容疑を否認したため、調査を続行しなかった。 このため、事件のもみ消しを図ったのではないかとの疑惑も浮上している。





( 2011.04.24 )

 
 東日本大震災や、福島第1原子力発電所の事故のニュースが全世界を駆け巡る中、韓国では、中国・上海で勤務していた韓国の複数の元領事らが、同一の妖艶な中国人女性と 「 不適切な関係 」 を持ち、韓国政府の内部情報などを漏洩ろうえいしていた疑惑が大きく報じられ、国民的関心事となった。 特別合同調査団まで組んだ韓国政府は3月25日、 「 スパイ事件ではない 」 と結論づけたが、波紋は、4月3日付の香港誌が 「 大騒動の背景に中国脅威論がある 」 と分析するなどアジアの華人社会にまで拡大している。



 韓国社会がこの話題で持ちきりになったのは3月初め。

 韓国政府の監察当局が、中国・上海の韓国総領事館に勤務していた元領事2人が、 「 同じ中国人女性と不適切な関係を持ち、重要資料を漏洩していた疑いが強まった 」 として2人の所属官庁に対し懲戒処分を含めた措置を取るよう要請したことを、東亜日報をはじめ、韓国各紙が3月8日付で大きく報じた。

 同時に、同じ中国人女性と、やはり不適切な関係にあった法務省出身の別の元領事1人も、規則に違反して、女性に観光査証( ビザ )を発給したとして、2月に辞表を提出した。

 女性の所持品のUSBメモリーからは、韓国政財界の有力者約200人の携帯電話番号などの記録が発見され、さらに金正基前総領事もこの女性と親密だった疑惑まで浮上した。

 韓国メディアはこぞって 「 中国の女007によるハニートラップか 」 と疑惑の目を向け、マタ・ハリやアンナ・チャップマンなど伝説の女スパイ列伝が掲載されるまで報道が過熱。

 政府も反応し、急遽きゅうきょ、首相室を中心に、法務部、外交通商部、関連機関との合同調査団を結成し、 「 徹底的に調査を進める 」 という騒動にまで発展した。




 その結果、韓国政府は3月25日に記者会見を開き、 「 外交官として重大な職務規定違反があった 」 との調査結果を公表。

 首相室事務次官の金錫民氏は 「 上海の総領事館の外交官らに職務上、不適切な風潮があってこのような恥ずべき事態を招いた 」 と、元領事らが公務員の服務規定に違反した事実を非難し、関係部門に対して、事件に関与した前任の総領事を含む十数人への処罰を求めた。

 しかし一方で、政府の見解として、 「 今回の不祥事は不倫であって、スパイ事件と断定する証拠はなかった 」 とも結論づけている。

 結局、元領事らから女性に流れた情報は、駐上海韓国総領事館のビザ発給記録、韓国外交官の緊急電話連絡網、韓国政府内部の人事に関する情報のほか、李明博大統領周辺を含む韓国政財界約200人の携帯電話番号など。

 しかし、これらの情報に関しても、韓国政府は 「 国家機密や、韓国の法に抵触する情報は含まれていなかった 」 としている。

 ただし、美女との関係が浮上した金前総領事は07年の大統領選で李明博大統領の当選を支えたメンバーの1人で、 「 大統領の論功行賞人事の結果 」 ( 朴智元・韓国民主党院内代表 )との批判の声もあがっていただけに、 「 調査団は終始事件を隠蔽いんぺいし、問題を意図的に縮小しようとしてきた 」 と見る市民は多い。




 韓国メディアによると、元領事らと 「 不適切な関係 」 を持ったのは上海在住の朝鮮族系の33歳の女性で、上海市共産党委員会のトップなど、上海市の政府上層部と密接なつながりを持っている、などと報じられている。

 夫は韓国籍で、韓国企業の上海駐在員( 37 )。 結婚生活を約10年をともにし、2人の間には娘もいる。

 この疑惑は中国人社会でも注目を集め、4月3日付の香港のアジア全域の華人・華僑社会向け情報誌 「 亜洲週刊 」 が詳報。 同誌によると、2010年の晩秋、妻の行動を不審に思った夫が、妻のパソコンから韓国の元領事らと抱擁する写真や韓国要人らの電話番号などのデータを発見。

 「 一般人が入手できる情報ではない 」 と、異常さに気づいたことで告発し、韓国当局調査に乗り出すきっかけになった、という。

 女性をめぐっては、交通事故を故意に起こして韓国領事に接近した、あるいは、自ら工作員と名乗った、などの噂も多い。

 亜洲週刊では、 「 非スパイ 」 の視点に立ち、 「 米国や日本のメディアと同様、韓国メディアも、こうした問題を “スパイ事件” だと大げさに騒ぎ出す陣営に加入した。 背景には、中国脅威論があり、中韓の民間のムードも変化が現れてきている 」 と結んでいる。

 しかし、韓国民主党の辛鶴用議員は、3月25日に行われた国会での記者会見で、 「 ( 中国人女性 )が収集した機密情報からみると、彼女は単なるビザ手配の仲介役などではなく、中国当局のスパイである可能性が高い 」 と指摘。

 「 ( 7年前の )日本の駐上海総領事館員の自殺事件や、( 今年の )台湾軍の少将が中国当局の美人工作員のわなにはめられた事件と類似している 」 との見解を示した。

 一連の騒動で、韓国外交通商部の金星煥長官は 「 不祥事を引き起こし、深くおわびしたい 」 と謝罪。 合同調査団とは別に在外公館の勤務実態を一斉に再点検するなどした外交通商部も、 「 今後は公館職員に対する職務監察活動を強化する 」 としているが、韓国国民にとっては、近年、急速に経済的な結びつきが強くなった中国と、同時に韓国政府の双方に疑念を残す騒動となったようだ。





( 2012.03.19 )



 米台の軍事協力関係を揺るがす事態が発覚した台湾国防部の将官による中国側への軍事機密漏えい事件。 陸軍司令部で電子情報通信部門を統括する現役の軍高官が中国側にまんまと抱き込まれ、長年、中国のためのスパイ活動を続けてきた背景には、中国側が差し向けたとみられる30代の美女との交際があったことがわかった。 また事件の端緒は、疑惑をキャッチした米国連邦捜査局( FBI )が撮影した旅行中の2人の写真だったことも明らかになり、スパイ映画さながらのストーリーに、台湾各紙の報道は過熱。 社会的関心は一層たかまりつつある。




 台湾の検察当局に逮捕されたのは、台湾陸軍司令部の情報システム担当トップである電子情報通信処の処長、羅賢哲陸軍少将( 51 )。

 台湾国防部が8日夜、羅少将を 「 中国に軍事機密情報を長期間にわたり漏洩ろうえいした重大な疑いで1月25日、逮捕した 」 と発表したことで事件は明るみにでた。

 羅少将は2002年から05年にかけて、タイで駐在武官として勤務し、この間に、中国の情報機関の接触を受けてスパイとなっていた。

 国防部は、中国側に買収された台湾の軍人としては 「 過去50年間で最高位 」 とし、受け取った報酬の総額も数十万ドル( 数千万円 )に達するとみている。

 また、その被害規模の全容は、現段階では明らかになっていないものの 「 過去最大 」 ( 台湾各紙 )とみられている。

 台湾の有力紙、中国時報によると、羅少将が漏洩したのは、1999年に、当時のクリントン米政権が台湾への売却を決めたハイテク通信システムに関する機密情報。

 陸海空3軍合同作戦の際にレーダーや戦闘機、ミサイルなどの間の通信を行うシステムで、米軍との連携も可能になるという。

 この指揮通信システム 「 博勝案 」 の構築には 「 10年の歳月と約500億台湾元( 約1400億円 )の巨費を投じた 」 とされている。

 国防部では、羅少将が中国側に台湾の軍事情報を漏らしていたのは04年以降で、昨年10月に発覚するまでの6~9年間、単独で中国のためのスパイ活動を行ったとみている。




 検察当局は、羅少将がスパイ行為をした動機や詳しい経緯など、事件の全容解明を進めているが、長年、少将と不倫関係にあった1人の女性の存在がクローズアップされている。

 台湾各紙によると、羅少将は台東出身で母は本省人、父親は外省人の元軍人で、兄も軍人。 タバコは吸わず、酒はたしなむ程度。 もちろん既婚者で、夫婦仲は良く、駐在武官としてタイに赴任した際も妻子を帯同していたが、そこで中国から送り込まれたとみられる女性との交際が始まった。

 女性についての詳細は不明な点が多いが、中国時報などによると、洗練された雰囲気を漂わせる当時30歳くらいの美貌の持ち主で、モデルのように背も高く、豪州のパスポートを所持し、貿易業者を装っていた。

 羅少将はこの女性を通じて、駐バンコク中国大使館一等書記官に偽装した人民解放軍総政治部連絡部所属の林義舜少将と知り合い、水面下で林少将と接触を繰り返し、金銭と引き換えに情報を流していた。

 羅少将はタイ駐在の任務を終えた05年以降も、この女性と一緒に米国に旅行するなど、交際を続け、台湾の軍の機密情報を漏らし続けた。 通信機器などは利用せず、出国した際に直接、情報を手渡していた。

 羅少将の疑わしい行動を察知した米国のFBIは、少将が密会を続けるこの女性を中国側のスパイと判断して、旅行先の米国で羅少将と女性が会う場面を撮影し、台湾当局に伝え、台湾当局はこの情報をもとに捜査に着手したという。

 古典的な “ハニートラップ”( 美人局 )に国家の中枢にある現役の軍高官が絡め取られたかっこうで、事実確認を求めた報道陣に対し、台湾国防部の王明我・総政治作戦局長代行は10日、 「 セックスの誘惑と金銭的誘惑の問題は、私たちが重点捜査する対象 」 とコメントしている。




 台湾ではここ数年、中国へのスパイ容疑で逮捕される軍人が相次いでおり、昨年11月にも、情報担当将校が中国に買収され 「 二重スパイ 」 となった事件が発覚したばかり。

 台湾では 「 これでは、中国と開戦した場合、ひとたまりもない 」 と、馬英九総統が展開してきた親中国的な両岸政策に対する非難材料とする動きも見られている。

 また今回漏洩した機密については、米軍との関係が密接で、一時は台湾経由で米軍の機密情報も中国に流れた可能性が懸念されただけに、米メディアも強い関心を寄せている。

 11日付の米紙ウォールストリート・ジャーナル( 電子版 )は、 「 馬英九総統の就任以来、中台関係は改善の傾向にあったが、今回のスパイ事件によって、実際には薄氷を踏む危険な状況にある 」 と評した。

 いずれにせよ、米国が台湾へのハイテク兵器売却に慎重な一因として、かねてこうした事態への懸念が指摘されていただけに、いたずらにセンセーショナリズムに走る台湾メディアの報道に 「 国の根幹に関わる問題。 軽々に過ぎる 」 と疑問を持つ市民も。

 台湾の識者の一人は米メディアの取材に対し 「 スパイ事件は羅少将の問題にとどまるものではなく、全体的な解決ができなければ米国からの兵器購入が難しくなる 」 との見解を示している。





( 2013.03.19 )

  


 米ハワイの連邦地検は18日、中国人女子学生( 27 )に核兵器に関する機密情報を漏らしたとして、太平洋軍司令部に勤務する元陸軍将校の男( 59 )を逮捕、訴追したと発表した。 戦略核兵器の配置計画や弾道ミサイルの探知能力、太平洋地域の早期警戒レーダー網の配置に関する情報を提供したという。
 連邦地検によれば、男は2011年5月~12年12月、複数回にわたり機密情報を女子学生に渡した。 女子学生とは国際会議で知り合い、11年6月から交際していたという。 連邦当局は女子学生について 「 機密情報を入手できる人物を狙って会議に出席していた恐れがある 」 と指摘した。
( 2013.03.18 )
Benjamin Pierce Bishop, 59-Year-Old Ex-Army Officer, Spied For 27-Year-Old Chinese Lover, U.S. Charges
The U.S. Navy Aegis cruiser USS Lake Erie tests an Aegis missle near the Hawaii island of Kauai in 2001. Defense contractor Benjamin Pierce Bishop, 59, has been charged with giving military secrets to a 27-year-old Chinese woman he had been romancing.
WASHINGTON -- A 59-year-old former Army officer working as a defense contractor in Hawaii made his first court appearance Monday on charges of communicating classified information to a 27-year-old Chinese student he had been romancing, federal authorities said.
Benjamin Pierce Bishop, a civilian employee of a defense contractor based at U.S. Pacific Command in Hawaii, was arrested without incident on Friday and appeared in federal court on Monday, federal authorities said.
Bishop, who has held a top secret security clearance since July 2002, met the China resident, visiting the United States on a student visa, at a conference in Hawaii involving international military defense issues, according to the Justice Department. An FBI agent wrote in an affidavit that the unnamed student "may have been at the conference in order to target individuals such as Bishop who work with and have access to U.S. classified information."
Their romantic relationship began in June 2011, with Bishop providing classified information to the woman several times and storing classified documents at his home that he wasn't authorized to remove from work, the Justice Department said. At one point, when he traveled to the U.K. to visit the woman, Bishop tried to hide her identify on a request to leave for travel form "by slightly changing her given name to a masculine form of the same name and by adding a letter to the surname," according to an FBI agent's affidavit.
Bishop provided the woman with information relating to nuclear weapons, including intelligence on how the U.S. detects low- and medium-range ballistic missiles and information on early-warning radar systems, according to the government. He faces a maximum potential sentence of 20 years in prison if convicted.


 

 軍事最高機密の入手が可能だった米陸軍の元士官( 59 )が核兵器などの情報を30歳以上も離れた中国人の恋人の女性( 27 )に漏らしていたとして、司法省に国防機密漏洩ろうえい罪などで訴追される事件があった。 CNNテレビ( 電子版 )などによると、女性にスパイ罪は適用されていないが、機密情報を目当てに元士官に接触していた可能性もあり、色仕掛けの 「 ハニートラップ 」 だったとの見方が浮上している。

 漏洩情報の詳細は不明だが、CNNは当局の話として、戦略核システムの配備、他国の弾道ミサイルの探知能力、環太平洋の早期警戒レーダーに関する情報などが含まれているとしている。

 また、将来的な米軍の配備計画に関する情報も自宅で不法に所持していたとされ、ABCニュース( 電子版 )は、情報漏洩が米国の安全保障に 「 重大な打撃 」 をもたらす可能性があったと伝えた。

 この元士官はベンジャミン・ビショップ被告で、15日にハワイで逮捕され、連邦地検が刑事訴追した。 女性は学生ビザで現在も合法的に滞在しており、詳しい身元は明かされていない。 ビショップ被告の不審な行動を受け、当局が盗聴や尾行、自宅の捜索を行って犯行を割り出した。

 2人はハワイで開かれた国際的な防衛問題に関する会議で知り合い、2011年6月から恋仲になった。 ビショップ被告は機密情報の入手が許可されているため、外国人と接触した際には報告が義務づけられているが、当局に女性の存在を知らせていなかった。

 ABCニュースが報じた訴状の内容では、女性は今年2月、西側諸国が中国海軍の特定の兵器について、どこまで把握しているかを調べるようビショップ被告に依頼していたという。

 ビショップ被告の弁護人は 「 彼は29年もの間、立派に軍務に服しており、米国に意図的な危害を加えることは絶対にしない 」 と擁護しているが、有罪なら最長で禁錮20年が下される可能性がある。

( 2013.02.06 )


 中国の諜報活動の最大の標的はやはり米国だろう。 米国に対する中国のスパイ活動は規模が大きく、根が深く、歴史も古い。 一方の米国にとっても、世界で最も積極果敢にスパイ活動を仕掛けられるのが中国なのだ。

 2009年、米議会の政策諮問機関 「 米中経済安保調査委員会 」 は数回にわたって中国のスパイ活動に関する公聴会を開催した。 その場で、国家情報会議( NIC )防諜部門のジョエル・ブレナー専門官は 「 米国を標的として活動する140カ国ほどの諜報機関でも、中国が最も活発だ 」 と証言した。

 同委員会の報告によると、中国側でこうした活動を手がける機関は国家安全省だけでなく共産党の対外連絡部や統一戦線工作部、社会科学院所属の各研究所、さらには人民解放軍の総参謀部第2部( 軍事諜報 )、同第3部( 通信諜報 )、同第4部( サイバー戦争 )までもが含まれる。 国有企業が加わることもあるという。




 中国のスパイ活動研究の権威で、一昨年に刊行された 『 中国スパイ秘録 米中情報戦の真実 』 ( 邦題 )の著者としても知られるデービッド・ワイズ氏は、中国の対米工作での最大の標的は軍事機密だと指摘した。

 「 経済的に超大国になった中国は軍事面でも超大国を目指すが、なお米国に比べて戦力が弱い。 米国に追いつけ、追いこせ、という自己要請が異様なほど強く、そのためには米軍の高度技術を盗むことを最も合理的とみなすわけだ 」

 ワイズ氏は中国の近年の 「 成果 」 として、米軍最新鋭の戦闘機で、日本の導入も決まったF35の機密や、トライデント戦略潜水艦装備の核ミサイル弾頭W88の軽量化技術の機密の奪取を挙げた。

 特に核兵器の機能向上技術、ミサイルの命中度向上技術、潜水艦の航行時の音を抑える技術などを不法に入手するのに必死になってきた、というのだ。

 ワイズ氏は、中国のスパイ活動の手法について 「 人のアキレスけんのように弱点を突くことが多く、昔から男女の仲を利用する 『 ハニートラップ 』 も頻繁に仕掛ける 」 と指摘した。

 その代表例としてワイズ氏が自著でも詳述するのが、カトリーナ・リョンという中国系米人女性の二重スパイ事件である。

 この女性は、中国国家安全省の指令で動く対米スパイだったが、米連邦捜査局( FBI )にも接近して捜査員2人と交際し、米側の対中工作員になりすました。 そして米側の機密を中国に流したことが発覚し、2004年に摘発された。 ワイズ氏は 「 ハニートラップ 」 を中国スパイの伝統的手法だと位置づける。

 ニクソン元大統領が在野時代の1960年代に香港の中国人クラブホステスと親しく交流して、 「 トラップ 」 を疑われた実例もワイズ氏は詳述。 中国の対米スパイ活動の総括として次のように語った。

 「 中国共産党政権のスパイ戦術は古い兵法書 『 孫子 』 が教える密偵の使い方をも参考とし、ハニートラップや中国民族の血のつながり、そしてカネを駆使する巧妙な方法だ。 だが、近年ではサイバー攻撃によるスパイ活動を急増させている点に注意すべきだ 」




 中国側のサイバー攻撃の標的となった機関には、海軍海洋システム・センターなどが挙げられる。 前述のF35の電子システムの機密もサイバー侵入で中国側に奪われたという。

 そのワイズ氏に、在日中国大使館の李春光元1等書記官のスパイ疑惑について尋ねると、次のような解説が返ってきた。

 「 中国の諜報活動では相手国の機密を盗むだけでなく、政府の決定や世論に影響を及ぼし、中国側に有利な方向へ導くという工作も重要とされる。 旧ソ連のKGB( 国家保安委員会 )が重視し、その要員を 『 影響力工作員 』 と呼んでいた。 日本の事件はそのパターンである形跡が濃いと思う 」

 ただ、こうも付け加えた。 「 中国のスパイ活動では、通常は相手国にある中国大使館での外交官肩書を隠れみのに利用することは少ないのだが、今回の事例は特殊な理由があったのかもしれない 」






( 2013 )

 

  

 防衛省の中でも深い闇に包まれた組織、情報本部に激震が走っている。 分析部の女性職員が中国人男性に機密情報を漏らした疑いが生じたのである。 だが、防衛省は調査を打ち切り、女性は3月末で退職させられていた。 一体何があったのか。

 それは、2月16日土曜日、正午頃のことだった。
 東京・市ヶ谷にある防衛省は、尖閣諸島周辺で自衛隊のヘリや護衛艦にレーダー照射を行うなど、挑発行動を繰り返す中国への対応に追われていた。 その4日前には、北朝鮮も地下核実験を強行していた。 まさに対中国、対北朝鮮の緊迫したムードが漂っていた最中に、その事件は起きた。
 電波や画像などで得られる情報を集約し、分析する情報本部が入るC棟。 2棟あるC棟のうち、C2棟の一階出入りロ付近で、不審なリュックサックが見つかったのだ。 リュックには、情報本部内の門外不出の資料が入っていた。
 この直後から、情報本部内では連日、リュックの持ち主である女性職員への厳しい査問が行われた。
 なぜ資料を持ち出そうとしたのか。 彼女は誰に資料を渡そうとしたのか ──。
 だが、女性職員への査問は3月で打ち切られ、供述内容は極秘扱いとされた。 小野寺五典防衛大臣や首相官邸にも一切の報告がなされないまま、全容は闇に葬られたのだ。
 国防の根幹を揺るがしかねない “機密漏洩事件”。
 詳細を知る関係者が、属性など一切を秘匿することを条件にこう証言した。
 「 ある隊員が不審なリュックを発見し、中身を調べたところ、持ち主は情報本部分析部に勤める女性事務官であることが判明しました。 中には部外に持ち出すことが禁じられている 『 部内限り 』 の文書が含まれていた。 彼女はなぜ 『 部内限り 』 の資料を持ち出そうとしたのかを問われ、当初はひどく狼狽した様子で、 『 家に持ち帰って捨てるつもりだったんです 』 などと言い訳しましたが、まったく要領を得ませんでした 」


女性職員は英語の専門家

 女性事務官のA子は、今年3月末に防衛省を退職していた。 A子は、元々は陸上自衛隊の中央資料隊に勤務していた。 英語の専門家で、ペンタゴン( 米国防総省 )の資料の翻訳や、ニューヨークタイムズやワシントンポストなど英語圏メディアの翻訳を主な仕事としていた。 1997年1月に防衛庁( 当時 )内に情報本部が新設されると、A子はその分析部に籍を移した。 2年前に60歳で定年を迎えたが、その後2度にわたって再任用されている。
 防衛省内でも、この情報本部は、深い闇に包まれている。 Defense Tntelligence Headquarters( DIH )と英語名で称される情報本部は、米国防情報局( DIA )を範とした組織で、課以下の組織図は公表されておらず、25前後あるとされる課の名前すら明らかではない。 職員は情報本部で独自に採用しているが、募集のパンフジットを見ても、先輩職員の名前や顔写真はまったく載っていない。
 防衛省に詳しいジャーナリストが解説する。
 「 約2300人の要員を誇る、日本で最大の情報組織であることは間違いありません。 内訳としては、自衛官が約8割、事務官が約2割とされます。 情報本部で最も所帯の大きい電波部はC1棟、分析部はC2棟に入っていますが、C棟に関しては、いずれの棟も特別の磁気IDカード所有者しか入館できません 」
 その情報本部から、 「 部内限り 」 の資料が持ち出されようとしたのだ。 大きな衝撃が走ったのは想像に難くない。 A子の供述に不審な点があったことから、調査官が彼女のパソコンを調べたところ、さらなる衝撃的な事実が発覚した。


「彼のために綺麗になりたい」

 「 中国人男性への恋慕の情を綴った記述が、パソコン内の文書から見つかったのです。 その男性は、07年頃に赤坂のスーパーでアルバイトをしていた留学生だった。 買い物をしていた彼女が店を出たところ、雨が降っており、この中国人の青年が傘をさしかけてくれたのが親しくなったきっかけだった。 パソコンからは 『 彼のために綺麗になりたい 』、 『 肌の手入れをしなければいけない 』 など、男性に好意を寄せる文章がいくつも見つかりました。 さらに、驚愕したのは、 『 彼に中国やアメリカの最高の分析を届けたい 』 という文章があったことです。 A子が中国人に資料を渡していた疑いが濃くなりました。
 もっと不審なこともわかりました。 磁気IDカードには庁舎の出入りの時間が記録されますが、A子のカードを精査したところ、土日も含めた早朝や深夜に不審な出入りがあった。 さらに、分析部の入る8階以外のフロアにも出入りしていることが確認されたのです 」 ( 前出・関係者 )
 これまで、中国側からの日本の外務省、防衛省や自衛隊への接近は度々問題となってきた。
 04年5月には、在上海総領事館の領事で、電信官を務めていた男性が、中国情報機関のハニートラップにかけられ、暗号解読システムの情報を提供するよう執拗に脅迫された挙句、自殺に追い込まれた。
 06年には海上自衛隊の一等海曹が、持ち出し禁止の内部情報をコピーして自宅官舎に持ち帰っていたこと、および、上海へ無断渡航を繰り返し、カラオケ店の中国人女性と交際していたことが発覚し、懲戒処分が下された。
 07年には、イージス艦中枢情報流出事件があった。 発覚の発端となったのは、海上自衛隊の二等海曹の中国人妻だった。 彼女を出入国管理法違反の容疑で取り調べた際の押収物にイージス艦の情報があったことが端緒となり、結局、情報流出に関与した3名が懲戒免職となっている。
 いずれも、中国人異性が絡んでおり、何らかの処分が下される事件に発展している。 では今回のケースはどうか。 この間の事情を知るA子の知人が語る。
 「 2月にリュックが発見されて以降、彼女は毎日、取り調べられたそうです。 彼女は中国人男性の湖北省の実家に日本のお土産を送ってあげたこともあり、男性の実家の住所や両親の名前もパソコンに残っていた。 ですから、相当しつこく中国人男性との交際について聞かれたそうです。 彼は日本語が非常に流暢なイケメンで、都内の理工系の大学院で学んでいました。 彼と出会った07年頃、彼女は仕事上でいろんな悩みを抱えていたんです。 ちょうどそんな時に、彼と巡り会った。 彼がアルバイト帰りにスーパーから赤坂駅まで帰る道すがら、彼女が自転車を押しながら2人で並んで歩き、彼から中国のいろんな話を聞くのを、当時は生きがいにしていたと言っていました 」


情報本部長名の 「注意書」

 この大学院生が、中国当局のスパイだった可能性はあるのか。 スパイ事情に詳しい公安関係者が解説する。
 「 理工系の大学院生だったことも併せて考えると、スパイ活動の協力者だった可能性が高いと思われます。 例えば、ロシアの場合は少数精鋭主義で、本国でスパイとして教育を受けた人間が、有用な情報を持つターゲットに狙いを定めて、極めて精度の高い情報を得るのを目的とします。 一方、中国の場合は事情が違う。 『 バキューム 』 と言われるやり方で、とにかく一級の情報も何の変哲もない情報も、ありとあらゆる情報をまずは吸い上げ、あとで中身を精査する。 中国大使館が、重要な位置にいる日本人と親しい中国人留学生などの、いわば素人をアルバイトのように使い、情報を取ってこさせるケースもよくあります 」
 果たして、今回の留学生もそうだったのだろうか。
 防衛省を退職し、現在は無職のA子を直撃した。 以下はその一問一答である。
 ── なぜ 「 部内限り 」 の資料を持ち出そうとしたのか。
 「 いつもは外国の新聞や資料などをゴミとして省内の焼却所まで持って行くのですが、重たくて運ぶのが大変なんです。 あの日は、亭主が車で送り迎えをしてくれたものですから、車で自宅に持ち帰って捨てたほうが楽だなあと。 その新聞の中に、部内限りの資料も湿じっていたんです 」
 ── 中国人男性との交流があったのは事実か。
 「 07年夏頃から、翌年春まで、大体7ヵ月間ぐらいだけの付き合いです。 08年に彼がスーパーを辞めてからは、一切会っていないし、連絡を取ったこともありません。 パソコンにその方の住所が入っていたのは事実ですが、以前その人たちに贈り物をしたがら、実家の住所と両親の名前が入っていただけです 」
 ── 彼に何か資料を渡したことはあるのか。
 「 彼は 『 X社( 大手通信会社 )から内定をもらったけど、入りたくない。 研究者になりたい 』 と言っていました。 私は、その会社に入ったほうが給料もいいし、彼にとって良いのではないかと思い、X社に関わる新聞や雑誌の記事などをあげただけ。 防衛省の資料を渡したことはありません。 元々私は、英語圏の公開情報を翻訳しているだけで、機密性の高い文書には触れられませんから 」
 ── 彼に恋愛感情を持っていたのではないか。
 「 いいえ、私の息子と同じ年ですよ。 パソコンの文章は、フィクションとして書いただけです 」
 ── ICカードの記録に不自然な時間帯の出入りや、8階以外の他部署への出入りがあったのではないか。
 「 私は再任用されるために最大限の実績をあげようと、土日も、深夜、早朝も一生懸命やっていただけです。 他部署とは、7階のことでしょう。 ここには海外の新聞などを取りに行っていただけです 」
 ── 彼がスパイではないかという観点で、査問を受けたのではないのか。
 「 彼は中国の共産党支配を嫌っていましたから。 絶対にそんなことはありえないと言いました。 取り調べた人も納得したはず。 私はこの4月からも再任用されるはずだったんですが、情報本部で 『 ノンキャリの星 』 と呼ばれる女性職員が私を追い出したんです。 荷物を外に置いていたこととパソコン内の文章を結び付けて使われたんです 」
 ── 問題を起こしたから解雇されたのではなく、次年度への契約更新をされなかったということか。
 「 形としては、そうです。 ただ、辞める前に 『 中国人との付き合いがあったのに報告しませんでした 』 という文書と 『 守秘義務を守らなかった 』 という文書、2枚の供述書を作られ、ハンコを押せと言われました 」
 彼女が退職する3月29日付で、 「 情報本部長陸将 木野村謙一 」 名で出された一通の 「 注意書 」 がある。 そこには《 下記の規律違反の行為があり、訓戒などに関する訓令第二条第二項に該当すると認められるので、今後再びこのようなことがないように注意する 》とある。 そして規律違反の行為として、リュックを置き忘れ、その中に 「 部内限り 」 の文書等があったことが記されている。
 疑問なのは、中国人男性との交際に関して供述書まで取ったのに、注意書には全く言及がない点だ。 荷物の置き忘れを注意しただけで済ませているのだ。
 冒頭とは別の事情を知る関係者が明かす。
 「 ここまで怪しい条件がそろっているのだから、相手男性の素性を確かめ、行動を確認し、スパイやその協力者である可能性の有無を徹底して調べるべきでした。 ところが、木野村情報本部長の判断で、中国人男性の徹底調査もせず、A子だけを取り調べ、再任用の契約が切れる3月末で、見かけ上、円満退職させることで真相をうやむやにしたのです。 木野村氏は、自分の監督責任が問われることを恐れ、上にも報告しなかったのではないでしょうか。 こうした事案は、本来は事務次官への報告が必須です。 なのに、情報本部内で封印してしまったとすれば、情報機関のトップとして極めてまずい。 隠蔽と言われても仕方ありません」
 もしこれが事実なら、日本の国防を揺るがしかねない重大な問題である。


中国人男性を直撃した

 事務方トップである西正典事務次官は本当に報告を受けていなかったのか。
 自宅前で西次官を直撃すると、 「 そういう取材は一切受けない 」 と、自宅に足早に入って行った。
 鎌田昭良官房長はどうか。 電話で直撃した。
 ── 情報本部で機密漏洩が疑われる事件があったのを、ご存知ですか。
 「 全然知らない 」
 小野寺大臣はどうか。
 議員宿舎で本人に取材を申し入れると、 「 事務所を通せ 」 の一点張り。 翌日、事務所の秘書に 「 防衛省の機密漏洩の疑いがある事案に関しての取材 」 だと告げると、当初は 「 役人を通さず、私から直接大臣に相談して連絡する 」 と言った。 政治家のリーダーシップを発揮するのかと期待したが、半日後に 「 大臣官房広報課報道室を通して、取材要望をご提出ください 」 とファックスを送ってきたのみ。
 その報道室は、A子のリュック置き忘れや中国人留学生との交流の事実は認めたが、 「 調査の結果、当該外国人に対する部内情報漏洩の事実は確認されませんでした 」 と回答した。
 なぜ、 「 事実はなかった 」 と断言できないのか。
 大臣や次官らを直撃して以降の動きを、防衛省職員が明かす。
 「 省内は大騒ぎです。 官房長や次官が木野村本部長をすぐに呼びつけました。 木野村氏の更迭に発展する可能性もあります 」
 中国人男性の所在を調べ、直撃した。
 「 アルバイトしていた時期にA子さんと会っていたのは事実ですが、防衛省の資料はもらっていません。 その後はずっと会っていませんし、防衛省からも私には何の接触もありません 」
 やはり防衛省はA子だけの調べで調査を打ち切り、中国人男性について調査していなかったのだ。
 A子が連日査問を受けていた今年3月中旬、アメリカではこんな事件があった。 ハワイの連邦地検が、中国人女子学生( 27 )に核兵器に関する機密情報を漏らしたとして、太平洋軍司令部勤務の元陸軍将校( 59 )を逮捕、訴追したのだ。 この将校をA子に、女子学生を男子学生に入れ替えれば、酷似したケースに見える。 彼我の差はなぜ生まれたのか。
 安倍晋三首相は元々、外交・安保に関する情報の取り扱いを重要視してきた。 第一次安倍政権時に、外国による諜報活動への対応強化を打ち出し、 「 カウンターインテリジェンス推進会議 」 を設置したのが、その証左だ。
 今回、機密漏洩が本当にあったのかどうか、一から徹底的に調べ直すべきだろう。 安倍首相の手腕が問われている。




( 2014.08.15 )
自衛隊と幹部養成学校、そしてOBまでがターゲットに



  


 日本の国防を担う自衛隊、そしてその幹部育成機関である防衛大学校に、中国の影が忍び寄っている。 我が国の機密情報は、スパイ大国に流出しつつある。

 公安関係者がこう悔やむ。
「 あんな形で表面化し、実態が解明される前にフタがされてしまったのは残念でならない。 中国の工作活動の一端が解明できたかもしれないのに 」
 自衛隊の幹部養成学校である防衛大学校を舞台にした “女スパイ疑惑” のことである。 ことの経緯を振り返ろう。
 きっかけは5月12日の参議院決算委員会でみんなの党の和田政宗参院議員が行なった次のような国会質問だ。
「 ある防衛大学生が大学の外に1人でアパートを借りて、そこに不特定多数の人物が出入りしているという話です 」
「 しかも、この学生は何度も中国に渡航しているという話があります 」
 すでに週刊新潮( 7月17日号 )が報じているが、 「 この学生 」 とは、中国から日本に帰化した女子学生のことである。
 「彼女は、17年前に中国・吉林省出身の両親や兄とともに日本に帰化した。 父親が大阪で中国から衣料品を輸入する会社を経営しており、頻繁に中国と日本を行き来しています。 防大の学生の問では、彼女には入学後も複数回の中国渡航歴があると噂されていました。 本人がそう話していたからです。 しかし、それを大学当局はまったく把握できていませんでした。 ちなみに兄も自衛官です 」 ( 公安関係者 )
 中国から帰化した美人女子大生が “情” を通じて、情報人手や人脈構築をしていた疑いが浮上していると週刊新潮は報じたのだ。




 先はどの和田議員の質問に防衛省は、防大では学生が渡航するたびに申請を出させており、無断で海外に渡航した学生の存在は確認できないと答えるばかりである。 だが、防大関係者は、 「 本来は義務づけられている渡航申請は有名無実化している。 学生は提出しないし、大学はチェックしていない 」 と内実を明かす。
 さらに、この女子学生が問題とされたのは “無断渡航” だけではなかった。
「 彼女が防大の外で借りていたアパートには、教官や複数の男子学生らが頻繁に出入りしていました 」 ( 同前 )
 この部屋の中で何か行なわれていたかは定かではない。 しかし、 “スパイ疑惑” が報道されるや、防大はすぐさまアパートを解約させ、幕引きを図った。 冒頭で公安関係者がいう 「 フタをされた 」 とは、このことを指す。
「 じつは今回の国会質問の以前から、我々の間で彼女の存在は知られていた。 疑惑を解明すべく動いていたのですが、こうした形で露見してしまい、幕引きされると、仮に本物のスパイだったとしても中国も手を切らざるを得ない。 防大に中国の魔の手がどの程度及んでいるかは不明です 」( 同前 )
 今回の騒動について防大広報に、取材を申し込むと、 「 全学生についてパスポートをチェックし、渡航歴を確認しており、特に問題はありませんでした。 なお、学生に対して、アパートを解約する等の指導をした事実はありません 」 との回答が寄せられた。
 だが、自衛隊幹部によれば、防大が中国の工作機関に狙われているのは事実だという。
「 防大生かすぐに機密情報にアクセスできるわけではありませんが、卒業後わずか数年でアクセス権限を持つ階級になります。 さらに30年もして将官まで昇進すれば、数千人の部隊を動かすようになる。 時間をかけた工作を得意とする中国にとっては、絶好のターゲットでしょう 」
 さらに防大のチェック態勢の甘さも、中国に狙われる理由だと防大関係者は指摘する。
「 学生は入学にあたって親族に共産党員がいないかチェックされるだけで、帰化者かどうか確認されるようなことはない。 事実上のフリーパス。 チェックの必要性を唱えても、 『 人権侵害にあたる 』 と大学校側か自粛する始末です 」
 結果として、防大に入学する帰化者が増え続けている。 現在では、 「 概ね一学年400人のうち10人ほどは帰化した学生 」 ( 防大関係者 )という。




 もちろん、帰化した学生に問題があると決めつけているわけではない。 だが、帰化学生の家族間の接触や情報交換は、第三者によるチェックや制限のしようがない以上、その入学は極めて慎重に判断しなければならない。 米国の場合、陸海空の士官学校に入学するには、正副大統領や上下院議員の推薦状がなければ認められず、FBIなどによる入念な身辺調査が行なわれる。
 それに比べて防大のチェックは甘いと言わざるを得ない。
「 今回の防大の件だけではない。 防衛省や自衛隊の中国に対する警戒が十分でない事例は、少なくありません。 例えば、イージス艦の情報漏洩疑惑事件がその典型です 」( 前出・公安関係者 )
 この事件は、海上自衛隊の二等海曹が特別防衛秘密( 特防秘 )に指定されるイージスシステムに関する情報を基地外の自宅に持ち出していたとして07年に神奈川県警が摘発したもの。 イージスシステムとは、同時に10個以上の目標をミサイルで迎撃できるイージス艦の根幹となるシステムで、米軍が開発した。
「 この事件の摘発にあたっては、前段となる問題がありました。 摘発の前年に海自上対馬警備所勤務の一等海曹が内部資料を隊舎に持ち帰っていたことが発覚したのです。 海上自衛隊の内部調査で、この一等海曹が中国の上海に無断渡航を繰り返し、市内虹橋地区のナイトクラブに通っていたことが判明しました 」( 神奈川県警関係者 )
 海自の調査では、 「 上海への無断渡航と内部資料の持ち出しは無関係 」 と結論づけられた。 しかし、かねてからこの店が中国当局のハニートラップの拠点とみていた警察庁は、自衛隊への工作活動が活発化している恐れがあると判断。 中国人女性と何らかの関係がある自衛隊員の洗い出しを全国の都道府県警に指示した。
 そうしたなか浮かび上がったのが、横須賀基地所属の護衛艦勤務の二等海曹だった。
「 この二等海曹の妻は中国人で、05年に他人名義の旅券で日本に入国。 横須賀市内の風俗店で働いていたときに二等海曹と知り合った。 神奈川県警は人管難民法違反容疑で自宅を捜索。 押収したハードディスクを解析して出てきたのが、イージスシステムの情報だったというわけです 」( 同前 )
 当初、神奈川県警は、中国人妻が夫の二等海曹を通じて特別防衛秘密を入手し、中国当局に流したという線を疑う。 結局、この中国人妻に中国当局との接触を疑わせる事実が見つからず、情報漏洩の可能性は低いと判断された。
 しかし、こうした疑惑が出たこと自体、システムを開発した米国に不信感を抱かせるには十分だった。 自衛隊がそれまで隊員の配偶者に何の関心を払ってないことも明らかになったからだ。
「 外国人妻を持つ隊員の数は数百人に上ります。 なかには、海自の対潜哨戒機P-3Cの乗員にも中国系の妻を持つ者がいるとの情報もある。 P‐3Cは機密性が高い潜水艦についての情報を満載しており、情報保全の観点からは問題だと言わざるを得ません 」 ( 前出・公安関係者 )




 中国による自衛隊への工作活動といえば、何もスパイを使ったものばかりではない。 「 公然たる工作活動 」 と公安関係者が指摘するのが、中国政経懇談会( 中政懇 )だ。
「 この団体の発足は1976年まで遡る。 『 自衛隊との対話の機会を設けてほしい 』 との中国側の申し出を受け、自衛隊の将官クラスOBを中国に派遣する団体として立ち上げられたものです 」
 中政懇の主な活動は年に一度、将官クラスによる訪中団を派遣し人民解放軍幹部と意見交換を重ねること。 訪中は昨年までに36回にわたる。 「 意見交換といえば聞こえはいいですが、中国側のねらいはOBとはいえ数年前までは自衛隊の中枢にいた将官クラスから情報を引き出すことにあります 」( 別の公安関係者 )
 中政懇が中国と交流を持つことに疑問を抱く防衛省幹部は少なくないが、自民党親中派の後押しや中国とのチャンネル維持を訴えるOBもいて現在まで活動が続いている。
 手元にあるのは、一昨年6月に中政懇のメンバーが北京で中国側と意見交換したときの議事録だ。 この年は尖閣諸島をめぐって日中の緊張が一気に高まった年である。
 このとき人民解放軍の上級大佐から出た質問はこうだ。
〈海上保安庁と海上自衛隊の間には、東シナ海で何か発生した場合にどのような役割分担があるのか〉
 さらに防衛省が打ち出す南西地域における防衛重視の方向性についてもこんな質問も行なわれた。
〈防衛力はどのように変化していくのか、どういった側面に重点を置いていこうとしているのか、こうした兵力の調整、配置の対象となるのはどこか〉
 評論家同士の議論ではない。 このときのメンバーは元陸自西部方面総監など自衛隊の部隊運用を熟知した元最高幹部ばかり。 人民解放軍側の参加者は矢継ぎ早に質問を投げかけ、機密情報を引き出そうとした様子がうかがえる。
「 これまでに日本側のメンバーが直接的な機密情報を提供するようなことはなかったが、中国側としては防衛戦略の大まかなところを掴むことはできたはずです 」 ( 同前 )
 中国がターゲットとするのは、OBだけではない。
 一昨年に日中の関係悪化を理由に廃止されるまで12年間にわたって続けられた 「 日中佐官級防衛交流事業 」。 軍事交流の深化を名目に親中派の 橋本龍太郎 元首相が00年に江沢民国家主席と会談した際に実施が決まったもので、日中の佐官クラスが毎年、相互訪問して意見交換や基地視察などを行なった。
「中国側にとってはOBではなく現役の実務担当者である佐官クラスに公然とアクセスできる絶好の機会だった」
 と防衛省関係者は言う。 そこで何か行なわれていたのか。
「事業では双方の参加者が出席する懇談の機会が必ず設けられるのですが、名刺交換をすると、その後、執拗にメールを送ってきたり、 『日本に来ているので食事しよう』 と連絡してきたりして、個人的に親しくなろうとするのです。 明らかな接近工作が疑われることから、参加者には、名刺にメールアドレスを書き込むな、個別に会うなといった対応要領を事前に教育するようにしていました」( 同前 )
 陰に陽に中国の工作活動は活発化している。 決して気を緩めることなく、いっそうの警戒が必要だ。




!! 簿

 ハ二-トラップは古来、中国の情報工作の一つ。 女性工作員が男性を寵絡して機密情報を得る、または弱みを握って揺さぶる策謀だ。 対象は政治家、官僚など多岐に渡る。
 有名なのは、橋本龍太郎元首相を寵絡した中国人女性通訳のケースだ。 96年、橋本氏に、中国政府関係者を夫に持ち駐日中国大使館への勤務経験もある中国人女性との親密な関係が発覚した。 後に、この女性は北京市公安局の情報工作員だったことが判明。 橋本氏と交流を持ちながら、中国へのODA増額などの働きかけを行なっていた疑いがある。
 2人の出会いは70年代末、ホテルニューオータニのロビー。 女性は橋本氏の前で、白いハンドバッグを落とし、それを拾ってもらう。 橋本氏は、突如現われた女性の美貌に心を躍らせるが、あらかじめ仕組まれた工作の可能性が高い。

 04年、上海総領事館長も巧妙な罠に嵌まってしまった。 上海のナイトクラブで働くホステスと交際していた領事館員は、このホステスとの交際などをネタに中国公安の 「 協力者 」 になることを迫られる。 中国公安は、領事館長が暗号電文を送受信する立場であることを既に知っていた。 思い悩んだ領事館長は、領事館内の宿直室で自ら首を吊る。
 遺書にはこう綴られる。
 〈日本を売らない限り私は出国できそうにありませんので、この道を選びました〉

 日頃、中国共産党を取材する立場のジャーナリストにもハ二-トラップの毒牙が及ぶ。
 昨年7月、大手全国紙で数多のスクープを飛ばしていたエース特派員とテレビ局の中国人スタッフの 「 禁断不倫 」 が週刊誌によって報じられた。
 記者は中国人女性と仕事で知り合う。 その後、取材現場で顔を合わすうちに恋愛に発展していくのだが、これを “男の火遊び” と軽視することはできない。 記者は、中国人女性を支局内に連れ込み、取材情報が集積されたパソコン端末を使用させていたと記事には綴られている。 昨今、その大手紙は中国共産党の暗部を執拗に報じている。 それらの情報源を割り出したい当局にとつては、新聞社の内部情報は何としてでも手に入れたいものだ。 ちなみに、 この女性は中国軍幹部の娘 だという。

 狙われるのは民間のビジネスマンも同様だ。 例えば国家間のプロジェクトに関わる財界人などは、ハ二-トラップの格好の対象になろう。
 「 中国進出メーカーの駐在員もハニートラップの被害者となることがある。 ある現地支社長は、愛人兼秘書に若い中国人女性を雇い、奥さんの監視を逃れて、 “我が世の春” を謳歌していた。 この中国人女性に関係を家族や会社にばらすと脅迫され、多額の金銭を支払つたと聞きました 」 ( 大手メーカー・中国駐在員 )
 心を許したが最後。中国人の策謀はしたたかで恐ろしい。


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   中国美女の罠に

 親しくなった異国の美女が、実はスパイだった ……。
 映画で使い古された 「 ハニー・トラップ 」 のパターンが、中国では現実に起きている。 2004年にも、上海の日本領事館に勤める電子官が、女性の存在を利用したスパイから暗号コードを渡すよう脅され、自殺を図るという痛ましい事件が起きた。

 ロンドン前副市長のイアン・クレメント氏 ( Ian Clement ) が遭遇した北京での出来事を、中国を訪問する政府要人は参考にするといいだろう。

 「 まさか、自分が騙されるとは思ってもいなかった 」 と、クレメント氏は英紙 「 デーリー・ミラー 」 に告白している。

 昨年の北京オリンピック期間中、当時ロンドン副市長だったクレメント氏は、北京を訪れていた。 目的は、2012年開催予定のロンドン・オリンピックに投資してくれそうなクライアント探し。

 オリンピック開幕日の夜、クレメント氏は中国当局主催のイベントで、ある中国人の女性から名刺を渡された。 バーで飲もうと言われたが、彼はその誘いには乗らず、そのまま宿泊先のホテルに戻った。 すると、女性がフロントでクレモント氏を待っていた。
 二人はお酒を飲んだ後、クレモント氏が女性を部屋へ誘った。

 その後に発生したことについて、クレメント氏ははっきりと記憶していない。
 目が覚めたのは数時間後で、女性が服を着て、部屋を出ていくのが分かった。 書類が部屋中に散らばり、重要な情報が入っている彼のブラック・ベリー ( 携帯端末 ) から、ファイルがダウンロードされた形跡もあった。

 「 彼らは、私がどのビジネスを得ようとしているのかに興味があったようだ。 彼女は、私が誰に会い、ロンドンでの保守派政権の動きが知りたかったのだろう 」 と、クレメント氏は 「 デーリー・ミラー 」 に話す。

 この中国人女性は、明らかにプロのスパイだったとクレメント氏は語る。
 「 財布も開けられた形跡があり、隈なく調べている。 彼女は明らかに、スリとは違う。 なぜなら、何も盗まれなかったからだ 」 とクレメント氏。 部屋に入った後のことは、 「 何も覚えてない 」 と話すクレンメント氏は、彼女が酒に薬を混ぜた可能性を指摘している。

 クレメント氏はその後、ロンドンのボリス・ジョンソン市長 ( Boris Johnson ) には報告せず、美女との遭遇について誰にも語らなかった。 盗まれたのはロンドン市に関する経済情報のみで、英国民を危機にさらすような事件ではないと判断したためだ。

 「 私がジョージ・クルーニーじゃないことは分かっている。 だから、魅力的な女性がにこやかに近づいてくるってことは、普通じゃないと分かるべきだった 」 とクレモント氏。 彼は過去のことを謝りたいと話している。

 http://www.mirror.co.uk/news/top-stories/2009/11/29/boris-deputy-i-had-sex-with-a-chinese-spy-115875-21858512/

 ちなみに、自民党総裁の谷垣禎一も、支那で支那人女を買春し、支那公安部の取り調べを受けた というハニートラップ野郎の一人だ。