簿


( 2007.07.20 )

 
  


 2007年7月27日までに、遼寧省大連市の明澤湖で藍藻の大発生が確認された。 2万平方メートルを超える湖面は真緑に染まり、腐臭が立ちこめた。

 今年に入って中国各地では藍藻の大発生が相次いでいる。 江蘇省無錫市では水道水汚染の懸念から給水がストップし、市民がミネラルウォーターの買い占めに走る騒動に発展した。 異様とも言える藍藻発生の連鎖は、全国規模で進む中国の水質汚染の実態を示す証左として、国内外から注視されている。

 明澤湖での藍藻大発生は初めて。 先週の大雨以降に確認され、あっという間にその数を増やしたという。 藍藻の大量発生は湖水の酸素不足を招くため、湖内に生息する数十トンもの魚が全滅の危機に瀕しているという。 現在、大連市は対策を検討中だ。





( 2008.01.26 )

 
  


湖南省懐化市
 2008年1月25日、湖南省懐化市辰渓県板橋村近郊の硫酸工場から流出した硫酸による地下水汚染で、村民の多くに中毒症状が見られている。 新華社の報道。

 同県の共産党委員会宣伝部副部長の楊昌友ヤン・チャンヨウ氏は会見に応じ、中毒が確認された患者は26人、死者は出ていないと発表。 しかし、被害者の家族などに調査した結果、数千人以上が入院していると見られている。 すでに3人死亡と報じているメディアもあり、情報が錯綜している。

 初期捜査の段階では、板橋村近くの硫酸化学工場から汚染が発生していると見ている。 この数日に降った大雪の影響で、硫酸の排水溝が壊れたことが原因との見方だ。

 さらに、同村ではすでにひと月ほど前、村民から地元環境保護当局に 「 飲用水が黄色に変色している 」 との通報があった。 また、県政府によると、今月11日にはすでに板橋村の村民の一部で吐き気、浮腫などの症状が表れており、政府の関係部署の調査の結果、ヒ素中毒と判明した。 懐化市、辰渓県の各政府は早急に対応措置をとると表明している。

 湖南省環境保護局はただちにこの工場に操業停止を求め、懐化市は専門の対策チームを設置し、現在では村民に安全な飲料水を提供している。





( 2008.09.18 )

 

06年、同湖で行われた北京五輪ヨット代表選考会
 2008年9月17日、雲南省の9大高原湖の1つである 「 陽宗海 」 が、深刻なヒ素汚染に陥っていることがわかった。 原因は、近くの化学工場から垂れ流された工業排水。 すでに工場は閉鎖され、関係者の身柄も拘束されているという。 中国新聞網が伝えた。

 この 「 陽宗海 」 と呼ばれる湖は、雲南省の中心都市である昆明市からおよそ36Kmの距離。 風光明媚で温泉もあり、リゾート地として人気が高い。 湖の広さは30平方キロメートル。 02年からこれまで目立った水質汚染はなかった。

 今回の汚染原因は、雲南澄江錦業工貿有限公司が湖の近くで操業する化学工場。 同工場は決められた排水処理を行っておらず、大量のヒ素化合物を含む工業排水が直接湖に垂れ流されていた。 すでに工場は閉鎖され、関係者の身柄も拘束されている。

 陽宗海は、約2万6000人の飲料水の水源にもなっている。 地元当局は、緊急に別の水源を確保するとともに、湖で泳いだり湖でとれた魚介類を食べたりしないよう周辺住民に呼び掛けた。





( 2008.09.20 )

 

06年、汚染を知らず陽宗海で漁をする漁民
 2008年9月19日、雲南省政府は記者会見を開き、同省9大高原湖の1つ 「 陽宗海 」 のヒ素汚染事件に関する状況を報告、同省環境保護局、水利庁、衛生庁、現地政府の官僚らが説明を行った。 中国新聞社が伝えた。

 雲南省環境保護部によると、08年6月、環境観測部門は陽宗海の湖水から標準値を超すヒ素濃度を検出、2ヵ月にわたる観測検査、専門家グループによる分析研究の結果、汚染源は付近の化学工場・雲南澄江錦業工貿有限公司の廃水であることが確定された。

 陽宗海の汚染は、同社が規定の廃水処理を行っていなかったことから、汚染物質が地下水に浸透し誘発されたという。 同社のほか環境法規に抵触する企業7社がすでに閉鎖され、重大環境汚染事故罪の容疑で企業責任者2人を拘留した。

 昆明市副市長によると、同事件への応急処置として、陽宗海の湖水の採取禁止、水確保の手配、各政府による海水域の監視制御、水域環境の管理などを行うと発表、 「 3年で各用途の基準を満たすIII類水質への回復を目指す 」 と述べた。

 陽宗海下流への影響について、省水利庁は汚染発覚後すぐに水門を閉鎖、バブルを制御したことからこれを否定。 また、省疾病コントロールセンターは、陽宗海沿岸で被害を受けた家畜や住民がいないことを強調、湖水の汚染は軽く、住民の湖水への接触時間が短かったことから人体への影響も大きくないと説明した。 陽宗海付近の農産品について省農業庁は、検査の結果、問題はなかったと発表した。





( 2008.09.22 )

 姿

 2008年9圧17日、かつて雲南省の9大高原湖の11つとされ、風光明媚なリゾート地として人気を博していた湖・陽宗海がヒ素汚染によって 「 死の湖 」 へと変わり果てた姿が報じられた。 チャイナフォトプレスの報道。

 過去6年間、水質優良とされ、水中のヒ素含有量も基準量以下だった陽宗海。 雲南省の中心都市である昆明市の近郊36kmに位置し、かつては高原の温泉リゾートとして人気を博したが、今年6月ごろからヒ素含有量が急激に上昇した。

 原因は、湖付近の化学工場が、規定の排水処理を行わずに排出した工業排水。 すでに工場は閉鎖され、関係者の身柄も拘束されているが、地元当局は、住民約2万6000人の飲料水源を 「 死の水 」 として、飲用はもちろん、 漁や遊泳も禁止した。

 汚染被害は湖だけに留まらず、周辺土壌にも及んでいる。 垂れ流されたヒ素によって土はひび割れ、草1本生えない無残な姿をさらしている。





( 2008.11.24 )


06年10月の蘭州。黄河の水が真っ赤に変色した
 2008年11月23日、中国を代表する2大河川の1つである黄河の水質汚染が、依然深刻な状態であることがわかった。 このほど発表された昨年の汚染状況によると、全体の3分の1にも及ぶ区間で最も深刻な 「 劣5類 」 に分類された。 新華網が伝えた。

 中国では河川や湖の汚水指標を、最も軽い 「 1類 」 からいかなる用途にも使用できないとされる最も深刻な 「 劣5類 」 まで6段階に分けている。 黄河水利委員会は毎年、 「 黄河水資源公報 」 で黄河の水質や水量を調べており、その2007年度版がこのほど発表された。

 それによると、 「 1類 」 は全体の16.1%にあたる1万3492km。 「 2類 」 が同16.1%の2174km、 「 3類 」 が同27.5%の3708km、 「 4類 」 が同15.8%の2127km、 「 5類 」 が同6.8%の925km。 そして 「 劣5類 」 が同33.8%の4557.6kmだった。

 また、昨年1年間の廃・汚水排出量は42億8600万トンで、その内訳は生活排水が23.0%、製造業や建設業などの第2次産業が70.6%、サービス業などの第3次産業が6.4%だった。





( 2009.04.16 )

 

 2009年4月13日、甘粛省蘭州市を東西に流れる黄河。 中国人にとって 「 母なる大河 」 にこの日の午後白く泡だった汚水が排出されているのが発見された。

 同市安寧区の北浜河路に位置する直径2mほどの水道管から、汚水は大量に排出されていた。 付近で屋台を構える人物によると、正午に汚水が流され始めた。 同日午後4時になっても絶えることなく放たれ、黄河の水面を数キロメートルにわたり漂っていた。

 同市環境保護局の職員は、水は付近の汚水処理場を通って黄河に排出されるが、このほど設備を換えたので、まだうまく調節できていないためだろうと語る。 すぐに通常の状態に戻るが、この泡だった水も汚水処理をほどこしてはいるので、人体に影響を与えるものではないと述べた。





( 2009.04.28 )

 
  


 2009年4月27日、湖南省の母なる川 「 湘江 」。 重金属汚染が日増しに深刻さを増し、流域約4000万人の飲料水が危険にさらされている。 中国経済週刊が伝えた。

 「 非鉄金属の里 」 と呼ばれる湖南省。 同省を流れる湘江流域には採掘、製錬などの工場が密集し、そこから垂れ流される排水によって古くから重金属汚染が問題視されて来た。 同省の水銀、カドミウム、鉛の排出量は全国1位。 ヒ素や二酸化硫黄、化学的酸素要求量( COD )の排出量も全国上位を占める。

 湘江は中国で最も汚染の深刻な河川の1つとされている。 流域の一部では飲料水への供給を停止。 約4000万人の飲料水は今もなお危険にさらされている周辺地域の魚類、穀物、野菜はすでに食用に適さない状態。 人体への影響も度々報告されているが、当局と企業のイタチごっこは続く。

 事態を重く見た中国政府は、湘江を国の重点的な汚染整備流域に指定。 2010年までに700億元( 約9900億円 )、15年までに3000億元( 約4兆2000億円 )を投じて汚染整備に取り掛かることが決まっているという。





( 2009.07.04 )
西
 

 2009年7月2日、大洋網によると、甘粛省に源流を持つ黄河最大の支流である渭河いがが、その生態機能を失い、黄河流域で汚染の最も深刻な河川のひとつとなっている。

 渭河は全長およそ800km余り。 陝西省では流域に全人口の64%が住み、56%の耕地、72%の灌漑農業が集まっているほか、省GDPの80%が集中している。 しかし同時に、80%以上の工業廃水と生活排水がこの川に垂れ流しとなっており、省人民代表大会常務委員会は04年9月、 「 渭河はその生態機能をすでに失っており、黄河流域で最も汚染が深刻な河川のひとつとなっている 」 と指摘。 水質改善に向けてさまざまな対策がとられてきたが、現在、状況はさらに深刻なものになっているという。

 水質の悪化に伴う飲料水の不足も深刻だ。 現在、世界全体の水資源は1人あたり5ガロン( 1ガロン=約4リットル )といわれているが、中国人の平均水資源は3.78リットル。 降雨量の少ない陝西省関中地区ではさらに少なく、わずか500ミリリットルでしかないという。 水道水の水質も飲用に堪えるものではなくなり、とくに都市部においては地下30m以内の地下水はことごとく汚染された状況だ。 取り立てて裕福というわけでもないこの地域に住む人たちはミネラルウォーターを買って飲むしかない状況となっており、農業用水の不足もきわめて深刻だという。





( 2010.01.03 )
西
 
  


 2009年12月30日、中国石油天然気ペトロチャイナの蘭鄭長( 蘭州 ― 鄭州 ― 長沙 )石油パイプラインの渭南ライン( 陝西省渭南市 )で、同ライン完成後輸送開始の過程で軽油が漏出し渭河いがに流入したことが明らかになった。 中国石油は漏出した軽油の遮断など緊急措置をとっている。 1月2日、中国政府網が伝えた。

 中国石油が軽油の輸送量に異常を発見し輸送停止した後、漏出がわかったという。 渭南ステーションから約2.75キロ離れた地点で赤水河に流入、渭河にも流入していた。 中国石油は、漏出箇所を掘り起こし検査した結果、第三者による破壊行為の可能性が高いと発表している。

 記事によると、地元政府も緊急措置に全面的に協力、漏出箇所の遮断、漏出地点の土壌の浄化、赤水河および渭河の軽油流入地点の下流に11のフェンスを設置するなどした。 政府は同時に、汚染程度の調査を進めているという。 飲料水への影響も懸念されている。





( 2010.01.04 )

 

 2010年1月4日、中国石油天然気の蘭鄭長石油パイプラインの渭南ラインで軽油が漏出し、渭河に流入した事故で、汚染が黄河にまで広がっていることが分かった。 中国新聞網が伝えた。

 事故は12月30日、同ライン完成後輸送開始の過程で発生した。 ペトロチャイナが軽油の輸送量に異常を発見し輸送停止した後、漏出がわかったという。 渭南ステーションから約2.75km離れた地点で赤水河に流入、渭河にも流入していた。 第三者による破壊行為の可能性もあるという。

 記事によれば、汚染は黄河にまで広がり、河南省鄭州市にある鞏義大橋より西の流域で基準値を超える水質汚染が確認された。 このため、中国環境保護部と水利部黄河委員会は職員を派遣し、汚染対策に乗り出した。 同省当局も緊急に対策チームを発足させ、飲料水の確保に追われている。

 黄河は河南省の8都市を流れており、鄭州市と開封市では飲料水として利用している。 渭河は黄河最大の支流で全長およそ800km。 陝西省では流域に全人口の64%が住み、56%の耕地、72%の灌漑農業が集まっている。





( 2010.08.07 )

 

 2010年8月7日、華西都市報は 「 専門家が語る:長江流域の化学工場、毎日の汚染物質排水量は黄河の水量に匹敵する 」 と題した記事を掲載した。

 江蘇省鎮江市の化学工場園区は、その長江下流にあたる丹陽市の取水口付近にある。 2002年から丹陽市の浄水場は22回もの汚染危機にさらされてきた。 最も危険だったのは2005年3月、1週間もの間、都市は断水となった。 原因は化学工場の汚水が取水口を取り囲んだことだった。 2006年、国家環境保護局( 現在の中国環境保護部 )は建設中の化学工場石油化学プラントのうち、81%が長江及び黄河沿岸の人口密集地域に建設され、45%が深刻なリスクになると警告している。

 中国安全生産科学研究院の魏利軍ウェイ・リージュン副総エンジニアは、 「 非合理的な工業計画と配置は事故の危険性を拡大させる 」 と警告している。 以前、長江フォーラム事務局長、長江水資源保護局前局長の翁立達ウォン・リーダー氏は、 「 全国の化学工場の過半数は長江流域に集中している。 毎日の工業汚水は黄河に匹敵する量だ 」 と明かした。





( 2010.09.10 )

   


 2010年9月8日、国際先駆導報は、中国の地下水の90%以上が何らかの汚染の影響を受けており、そのうちの64%は特に深刻な状況であると報じた。

 記事によると、中国では水資源の3分の1を地下水に依存しており、国民の約70%が地下水を飲用している。 飲料水や工業用水として利用するため、地下水のくみ上げ量は毎年約25億立方メートルの割合で増加しており、くみ上げ過多による水枯れ、地盤沈下などの問題が発生している。 さらに中国地質調査局によると、全国の地下水の90%は何らかの汚染にさらされている。

 地下水の汚染問題は深刻さを増している。 「 全国重点風土病の予防・治療計画( 04~10年 ) 」 のデータによると、03年末現在、中国全土には歯のフッ素症患者3877万人、骨のフッ素症患者284万人、ヒ素中毒患者9686人、克山病( 原因不明の心筋疾患を引き起こす中国の風土病の1種 )患者約4万人( 潜在患者を含む )などの風土病患者が存在しており、原因の多くは飲料水( または土壌 )に関係しているとみられている。

 中国全土の水や空気、環境汚染の研究・報告を行っている公衆環境研究センターの馬軍マー・ジュン主任は 「 風土病の根本対策には地下水の汚染改善が欠かせない 」 と主張する。 馬主任によると、一部の企業が未処理の工業廃水をそのまま垂れ流した結果、地表水が汚染され、その地表水が、水のくみ上げ過多で空洞となった地下に流入していくことで、地下水の水質に深刻な影響を与えている。 また、農村などで大量に使用される化学肥料や農薬の影響も大きいという。 これらは井戸水や作物を通じて人々の口の中へ入る。

 こうした状況に対し、中国地質環境観測院のある専門家は 「 中国の地下水汚染は点から面へ、地下の浅い部分から深い部分へ、都市から農村へと拡大しており、汚染の深刻さは日々増している 」 と心配する。

 北京大学都市・環境学院の専門家によると、関連部門が中国全土の都市118ヵ所の地下水に対して2~7年連続して観測調査を行ったところ、約64%の都市の地下水が深刻な汚染を受けており、33%が軽度の汚染、ほぼ問題ない都市は3%に過ぎなかった。

 馬主任は 「 地下水は一旦汚染されてしまうと改善が非常に難しい。 特に深層部が分解しにくい重金属などで汚染されれば、水質改善には1000年は必要となる 」 と語り、 「 中国には地表水を管理する法律はあるものの、地下水の環境を制限する法律はない 」 と指摘している。





( 2012.02.18 )


11年7月、海草が大量発生した山東省青島市の海水浴場
 2012年2月16日、中国は今後3年間で1兆8000億元( 約22兆5000億円 )を水質汚染の対処や検査に拠出すると公表した。 これにより、中国は今後10年間で4兆元( 約50兆円 )を水利に掛けることになる。BBC中国語版が伝えた。

 中国の河川の水質汚染は深刻で、4分の1近くの河川が侵され、3億人が安全な飲用水を得られない状況にある。 中国水利部の胡四一フー・スーイー副部長は、重度の工業汚染と農業灌漑用水の流出などによる水質汚染で、中国の河川の半分しか水質基準に適合できていないありさまだと吐露した。

 中国水利部では、体制を整え、各業界や地域からのさらなる汚染を食い止めようとしている。 胡副部長によると、中国の水質検査部門では人的物的なリソースが著しく不足しており、一部地域の水質検査は1ヵ月に1度しか行われず、検査能力の深刻な不足を露呈している。 そこで、中国は水資源の制御能力強化に重点を置いた、全国的な水資源情報管理システムの構築に着手した。 取水、用水、排水の管理・観測など、破損した灌漑システムや危険なダムの改修工事などがこれに含まれる。

 ロイターの報道によれば、この1兆8000億元の一部はダム建設や 「 南水北調( 南部の水を北部に送る ) 」 プロジェクトに使用される予定だ。 目下、中国の水質汚染問題は、05年に松花江のベンゼン汚染がハルピン市の水道水に影響を与えるなど、比較的富裕な都市にも影響を与え始めている。 最近では広西チワン族自治区・龍江河のカドミウム汚染事件なども発生している。