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( 2012.02.02 )

  


 日本で 「 ねこ鍋 」 と言えば、空の土鍋に猫が入り込んで丸まって眠る “癒し系” の動画や写真のことだが、中華圏の一部では、実際に猫を鍋料理にして食べる文化があるようだ。 広東省で昨年末、料理店で猫肉鍋を食べた地元有力者が急死し、逮捕者を出す事件が起きた。 一方、猫肉を食べる風習のない台湾では、体に良いと思い込んだ男が他人の飼い猫を食べて逮捕されたことが今年に入って報じられ、 「 残酷だ 」 と批判された。




 中国華南地方の有力紙、羊城晩報( 電子版 )が事件発生直後から数回にわたって報じたところによると、広東省人民代表大会( 省議会 )の代表( 議員 )で、林業関係の会社を経営する龍利源氏( 49 )が昨年12月23日昼、陽春市内の鍋料理店で、猫肉と鳩肉入りの鍋を食べた直後に中毒症状を訴え、病院に運ばれたが死亡した。 同席した知人2人も症状を訴えたが、市警察当局は後日、うち1人の同市八甲鎮( 村 )の共産党委員会委員、黄光容疑者を毒草を使って龍氏を殺害したとして逮捕した。

 龍氏はその日、2人を誘ってなじみの夫婦が経営する同店に来店。 店内にいた生きた猫2匹のうち、小さめの1匹を選んで鍋料理を作らせた。 龍氏は鍋のスープを椀1杯分飲み干した上、白米も注文して2人より多く食べた。 警察が、店の冷蔵庫に残っていた猫の半身を調べたところ中毒を起こす原因が見つからなかったため、毒殺の疑いが浮上した。

 調べによると、黄容疑者は、龍氏から預かっていた経営資金を競馬に使い込んで返却できなくなり殺害を計画。 嘘をついて知人に民間療法で使う毒草を採取させて車に隠し、店の夫婦の目を盗んで鍋に入れた。 龍氏はスープを飲んだ際に味の異変に気づいたが、黄容疑者に 「 苦いのは体によい証拠だ 」 という趣旨のことを言われて納得してしまったという。

 羊城晩報の記事からは、店が食用に生きた猫を常備していたことや、この地域で猫肉が 「 体によい食べ物 」 とされていることが伺える。 ただ、中国の他の地域ではペットブームが起きつつあることもあり、2010年には、猫や犬を食べた者に罰金5000元( 約6万円 )または拘留15日の罰則を科す反虐待動物法案を識者が提案して話題になった。 議論は現在も続いているようだ。




 1月4日付の台湾の有力紙、中国時報( 電子版 )などによると、中南部、嘉義県在住の日雇い労働者の男( 55 )が昨年6月、3回にわたって借りた車で隣県まで出向き、他人の飼い猫計6匹を盗んだ。 この男は、自分が肝臓病を患っていると疑っていたが、病院に行く金がなく、 「 『 猫肉を食べれば治る 』 と聞いていた 」 という。

 猫を盗む瞬間を通行人に見つかり逃走したが、車のナンバーを覚えられており、6日後に警察に逮捕された。 すでに4匹を 「 煮て食べた 」 後だった。 男は窃盗罪で懲役100日の判決を受けた。

 記事は、漢方医の話として 「 猫肉は治療上、なんの効果もない 」 との注釈も付けている。