簿


( 2012.01.21 )

 


写真は蒙牛乳業の四川工場
 1月18日、中国の大手乳業メーカー 「 蒙牛乳業 」 の四川工場で製造された紙パックの牛乳から発がん性を持つカビ毒が検出された事件を受け、中国で 「 外国産粉ミルク 」 を海外から送ってもらう人が再び増えている。

 昨年12月、蒙牛乳業製の牛乳から発がん性を持つカビ毒が検出されたニュースが報じられると、中国系移民の多いカナダでは、中国国内の親せき・友人から 「 粉ミルクを送ってほしい 」 「 帰省の際に持ち帰ってほしい 」 などの要請が相次いだ。

 2008年のメラミン入り粉ミルク事件をきっかけに、カナダから中国に粉ミルクを送る人は常に一定の数を保ってきたが、バンクーバーの宅配業者によると、蒙牛乳業の事件を受け、その数は例年の約20%増となっている。

 英国在住の中国人留学生も、せっせと粉ミルクを中国に送っている。 中には赤ちゃんを中国国内に残したまま留学に来ているママさん留学生もおり、 「 送らなければ子どもは 『 断食 』 状態になってしまう 」 と切羽詰まった様子。

 また、中には粉ミルクだけでなく紙おむつやチャイルドシート、ベビーバス、おもちゃ、洋服などすべてを国内に残した子どもに送る海外在住ママさんもいるが、 「 よく考えたらこちらでベビーシッターを雇った方が安いかもしれない 」 と頭を抱えている。

 23日は中国の春節( 旧正月 )。 これに合わせて一時帰国する人には、 「 粉ミルクを大量に持ち帰ってほしい 」 との依頼がひっきりなしに。 中には 「 20缶持ち帰って 」 と友人から頼まれた人もいたが、 「 さすがに重いから無理。 持ち帰りたいのはやまやまだが … 」 と困惑していた。





( 2012.07.24 )

 


写真は湖南省長沙市内にあるスーパーの粉ミルクコーナー
 7月23日、中国湖南省の大手乳業メーカー・湖南亜華乳業などが生産した 「 南山倍慧 」 ブランドの赤ちゃん用粉ミルクから、強い発がん性を持つカビ毒 「 アフラトキシンM1 」 が検出された。

 広東省広州市の工商行政管理局が、市場に出回っている乳製品を対象に実施した第2四半期第2回目の調査結果で明らかになった。 それによると、5ロット( 製品単位 )分の 「 南山倍慧 」 からアフラトキシンM1を検出。 うち4ロットは湖南長沙亜華乳業有限公司が、1ロットは湖南亜華乳業控股有限公司が製造したものだった。

 湖南亜華乳業控股有限公司は、 「 現在、事実関係を確認中。 23日から商品の全面回収を実施する 」 としている。 同社は中国政府系の複合企業、中信集団( CITIC )の子会社、シティック・キャピタル・ホールディングス( 中信資本 )が100%株式を保有。

 中国では昨年末にも、大手乳業メーカー 「 蒙牛乳業 」 ( 内モンゴル自治区 )の四川工場で製造された紙パックの牛乳からアフラトキシンM1が検出されたばかり。





( 2013.01.05 )

   


写真はオーストラリアの人気ブランド粉ミルクのカリケア
 オーストラリアで最も販売量の多い粉ミルクブランドであるカリケアが、中国人や中国系の客による大量購入で品不足となっているという。 地元の母親がスーパーで粉ミルクを買えない事態が起こっている。

 オーストラリアの大型スーパーでは別のブランドであるベラミーの品不足も起こっており、親になったばかりのオーストラリア人夫婦を落胆させている。 スーパーやドラッグストアを何軒も回っても、求める商品がないことがあるからだ。

 地元メディアの報道によると、上記2種類のブランドを販売するニュートリシア社は 「 需要は急増しているが、在庫は大量にあるので、必要であれば会社から直接送ることができる 」 とコメントしている。

 あるスーパーでは、マネジャーが中国系の客に金を渡され、いつ入荷するか伝えるよう求められているという。 シドニー中心部のあるドラッグストアはホテルに隣接しているため、中国人観光客が買い占めて中国に持ち帰るという現象が起こっているという。

「海外ブランド」 粉ミルク、8割が無名品 中国人が海外で商標登録、輸入販売

 2008年の 「 メラミン混入ミルク事件 」 は中国ブランドの三鹿をつぶしただけでなく、国産粉ミルクブランドへの国内消費者の信頼感を損ない、国内消費者は海外ブランドの製品を買うようになった。 そこに ビジネスチャンスを見出した一部の中国人 が、海外で粉ミルクの商標を登録して外国企業に生産を委託し、国内向けに輸入販売している。 業界関係者によると、中国市場で出回っている約100種の粉ミルクブランドのうち、8割近くはこうした製品だ。

 乳業専門家の王丁棉氏は 「 海外で企業登記をし、外国風の名をつけて地元の粉ミルク工場に生産を委託し、中国向けに販売しているこうした粉ミルクは、海外市場では知名度が低い。 国内の約100種の粉ミルクブランドのうち、少なくとも60~70社がこうした形をとっている 」 と指摘した。

 欧米の有名な粉ミルクブランドは100種足らずで、そのうち20~30種が中国に進出している。 しかし国内市場に出回る外国ブランドの数は100を超えている。 多くはメラミン事件が起きた2008年後に中国人が海外で委託生産した粉ミルクだ。 委託生産価格は1缶当たり70~90元( 約1000~1400円 )に過ぎないが、国内での販売価格は300元( 約4500円 )以上と、世界でも極めて高い水準だ。

 業界関係者によると、国内市場に出回るこうした外国ブランドの製品の90%がニュージーランドのサットングループ、スイスのHochdort、オーストラリアのタトゥラ・インダストリーによって生産されており、100種の商標が海外で登録されている。




( 2013.01.21 )

   


写真は北京で開かれた乳製品博覧会
 1月19日、ドイツの中国語ラジオ放送・ドイツの声( 電子版 )によると、独最大の大衆紙ビルトは同18日、 「 中国人がドイツの粉ミルクを飲みつくす 」 と題する記事を掲載した。 現地に住む中国人が買いあさっているため品不足に陥り、ドイツは 「 粉ミルク危機 」 に瀕していると伝えている。

 中国人に人気なのはミルパ社製の粉ミルク 「 ミルミル 」 と 「 アプタミル 」。 同社は昨年6~11月、粉ミルク生産量を3割以上増やしたものの、品薄は解消されないままだ。 中国人の母親たちはインターネットで共同購入しているが、同社に直接販売を求めたところ拒否された例も出ているという。

 同社は 「 中国へは直接輸出していないため、中国人はドイツ国内で買って送っている。 われわれはドイツの子供たちのために製品を作っている。 売り場で空っぽの棚を見て怒る母の気持ちは理解できる。 この異常事態を解消するため、なんらかの対策をとりたい 」 と表明している。





( 2013.03.01 )




 2月28日、中国・香港特別行政区が3月1日より、粉ミルクの輸出を制限する新たな法規を執行するため、隣の広東省深セン市から多くの人が訪れ、粉ミルクを大量に購入していた。

 近年中国本土の粉ミルクにたびたび問題が発生していることもあり、香港にわざわざ出かけ粉ミルクを買う人も少なくない。 さらに中国本土の需要を狙い、香港で粉ミルクを大量に仕入れ本土で売る人も多く現れた。 その影響は品切れになる店が出るほどで、香港の現地住民に大きな影響を与えた。 香港当局はこれらの事態を改善するために今回の新法規を執行した。

 新法規執行前日の28日は、深センからの粉ミルクを買いつける人であふれ、税関付近ではすでに税関を通った粉ミルクを売買する人たちもいた。 多い時で税関周辺には1000人近くが集まった。 中には100缶近い粉ミルクを運び、購入者を待つ者もいたという。





( 2013.03.05 )



写真は2月下旬、持ち出し規制前に香港で
粉ミルクを大量に買う中国の母親や業者ら
 2日、中国の経済学者で作家の何清漣氏は、 「 粉ミルクが打ち砕いた大国の自信 」 と題した記事を中国のブログサイトに掲載した。 以下はその概要。

 中国メディアは現在、両会( 全国人民代表大会、中国人民政治協商会議 )のニュースをいかに伝えるか苦心しているが、海外華字メディアが注目しているのは中国の粉ミルク事情だ。 3月1日、香港では粉ミルク持ち出し制限令が導入され、持ち出しは1人につき1.8kg( 2缶分 )までとなった。 初日からすでに10人の逮捕者が出ている。

 2008年、メラミン混入粉ミルク事件が発生した後、多くの中国人が 「 われわれの衛星やロケットが空を飛んでいるのに、なぜ安全基準を満たした粉ミルクを生産することができないのか? 」 という疑問を抱いた。 粉ミルクメーカーは 「 原料となる牛乳に問題があった 」 と主張。 しかし、牛乳を生産した酪農家は 「 われわれには問題はない。 飼料に問題がある 」 と主張した。 しかし、この飼料の問題は中国政府が最も避けたい土壌汚染の話題につながるのだ。

 汚染された土地から生産される農産物には、危険な発がん性物質が含まれている。 政府が恐れているのは、それを知った国民がパニックに陥ることなのだ。 かわいそうなのは中国の乳牛だ。 生まれてからずっと汚染された飼料を食べさせられ、安全な牛乳など出るはずがない。 メラミン入り粉ミルク事件以来、中国の消費者は国産の粉ミルクに不信感を抱いている。 国産粉ミルクの販売不振が続くなか、香港などでは中国人による粉ミルクの買い占めが大きな社会問題になっている。

 世界第2位の経済大国になった中国だが、 「 安全な粉ミルクを 」 という母親の願いさえかなえることができないなどとは、まったくおかしな話だ。 母親が安心できる粉ミルクすら生産できない中国が、真の大国といえるのだろうか?





( 2013.03.10 )
o
  


 3月8日、仏ラジオ国際放送・RFI中国語版サイトは 「 中国の父母による粉ミルクの買い占め、全世界で 『 封じ込め 』 に遭う 」 と題した記事を掲載した。

 今年3月1日より、香港政府は粉ミルクの持ち出しを 「 16歳以上の1人につき2缶( 1.8kg )まで」と制限。 違反者には罰金50万元( 約770万円 )と2年の禁固刑が科せられる。 これはもちろん、中国本土の人々を対象にした規定だ。 12年6月には、米国のウォルマートなどのスーパーで、粉ミルクの購入が5缶や12缶までに制限された。 ここ数年、中国の親戚や友人のために粉ミルクを大量購入する在米華人が後を絶たず、在庫がすぐに空になるという現象が続いているためだ。

 12年9月、ニュージーランドのスーパーでは 「 粉ミルクは1人2缶まで 」 の中国語の張り紙が出された。 さらに同国政府は法律を強化し、粉ミルクの国外持ち出しをすべて 「 輸出 」 とみなし、正規の輸出業者のみが取り扱えるとした。 12年10月、オーストラリアの大型スーパーやドラッグストアでも購入制限を開始した。

 13年1月、ドイツのスーパーは中国人消費者を対象に 「 粉ミルクは1人4缶まで 」 と制限。 同じ時期、オランダでも厳しい購入制限が敷かれた。 さらにマカオ政府は、居住資格を持つマカオ住民に優先的に粉ミルクを販売すると発表。 中国本土からの観光客による買い占めで深刻な粉ミルク不足に陥っていたマカオの人々を救うための措置だった。

 中国では毎年1780万人の赤ちゃんが生まれるといわれている。 若い両親たちが今後も外国産の粉ミルクを求め続けるのであれば、中国人を対象にした制限措置はさらに多くの国に広がる可能性が高い。 こうした現象の根本的な原因は、中国産粉ミルクに対する国民の根強い不信感にある。 中国人の粉ミルク買い占めをなくすには、国産粉ミルクの信用を取り戻すことが必要だが、それを実現するのが中国政府にとって急務である。