簿


( 2007.08.07 )

  


 2007年8月7日、広東省工商局は容器入り飲料水の抜き取り検査の結果を公表した。 180回の検査のうち、微生物の指標が基準値を超えたものが108回あり、不合格は115回を数えた。 合格率はわずか36.1%だった。

 大腸菌の総数と大腸菌群の2項目について検査したが、いずれも不合格だったのが珠海市 「 万峰飲用天然浄水 」、恵州市 「 金鳳凰飲用純浄水 」 「 家郷泉水優質飲用水 」、茂名市 「 名星飲用天然水 」。

 格安で市場に出回っている飲料水は、規模が小さく、製造設備が完備されていない工場が作っている場合が多く、しかも往々にして品質に問題があった。 また流通や保存の状態が悪いケースも多く見られたという。





( 2007.08.12 )

 

 2007年8月11日の報道によると、北京市の関係部局は市内で販売されているペットボトルなどの飲料水のうち、食品衛生検査基準に満たない不合格品を個別の商品名を挙げて公表。 市民にこれらの飲料水を飲まないよう注意を促した。

 今回行われた衛生検査で不合格となった飲料水の製造元は、すでに生産を停止。 法律に従って厳しく処罰されるという。 不合格飲料水の商品名は以下の通り。

 「 潤露 」 生態水、 「 チエン龍 」 密雲山泉水、 「 清而爽 」 飲用純浄水、 「 桜桃泉 」 天然鉱泉水、 「 龍泉峡谷 」 純浄水、 「 格氏ライ 」 山泉水、 「 御水縁 」 天然飲用水、 「 九宏源 」 麦飯石飲用水、 「 緑水坊 」 純天然鉱泉水、 「 長峰甘泉 」 飲用水、 「 白羊城 」 飲用山泉水、 「 安吉爾 」 飲用純浄水、 「 宏運 」 飲用純浄水、 「 健峰山泉 」 飲用水、 「 玉石湾 」 飲用水、 「 ハン海湖 」 麦飯石鉱物質飲用水、 「 生命活力小分子団水 」、 「 香山農夫 」 山泉、 「 川露清泉 」 優質飲用水。





( 2007.08.28 )

 


 2007年8月、国家品質検査検疫総局は、炭酸飲料の品質検査の結果を発表した。 合格率は78.6%と低く、2割以上の製品に問題が認められた。

 検査の対象となったのは、13の省市で販売されている96社117製品。 不合格製品の問題点として、微生物の数量が基準値超過、甘味料・防腐剤使用量の基準値超過、商品説明・商標の問題などが挙げられている。

 世界的な中国食品への厳しい視線もあり、中国では食品検査・管理の強化が進められている。





( 2013.05.28 )



 中国でまた食品不安をあおる事件が起きた。 今度は国内シェアトップのボトル入り飲用水 「 農夫山泉 」。 浙江省などの湖の深層水を使った中国初の天然水を売りにする製品で、食品に不安を感じている人たちの選択肢だった分、衝撃は大きかった。
 大騒ぎになったのは4月初旬、北京の日刊紙 「京華時報」 が 「農夫山泉の水質基準は水道水にも劣る」 と大きく報じてから。 報道の趣旨はこうだ。
  「 農夫山泉のラベルには浙江省が定めた地方基準を遵守していることしか明記されていない。 浙江省基準が定めるヒ素、セレンなど5つの有害物質のレベルは国家基準の水道水基準よりも緩い。 つまり農夫山泉は水道水の基準すら満たしていない 」
 農夫山泉側はすぐに 「 ラベル記載は義務付けされていない 」 と反論。 国家基準、地方基準、業界基準、自社基準の4つの基準を守っており、5つの有害物質の含有量は浙江省基準どころか国家基準を大きく下回っているとする浙江省飲用水品質検査センターのリポートを公開した。
 だがその後も京華時報によるバッシングは続く。 農夫山泉はライバル会社がわれわれを北京市場から追い出すために仕組んだ罠だ 」 と、ある競合プランドを名指しで批判。 このあたりから、これは品質の問題なのか錯綜する基準の問題なのか、さらには地方市場のシェア争いなのか分からなくなってきた。
 実は農夫山泉の品質は少し前から問題視されていた。 上海の経済紙 「21世紀経済報道」 は3月、農夫山泉のボトル水から 「黒い浮遊物」 が発見されたこと、湖北省にある水源の1つの近辺に生活ゴミが大量に集積していることなどを報じた。
 今回、京華時報が明らかにしたのは、ボトル入り飲用水に適用される基準が複数存在する問題だ。 国とは別に地方基準が存在する場合、その根底には各地域の現地企業優先主義、つまり排他的な市場抱え込みの意図がある。 一方で、地方の生産基準に準じた製品がその他の市場に流れ込む場合、管理基準はどうなっているのか分からない。 消費者にとって気になるその点を、京華時報は突いた。
 中国の食品安全法が定める罰金は最大で10万元(約160万円)で、 「 状況が深刻な場合は生産停止あるいはライセンス取り消し処分 」 とある。 08年に明らかになった有毒物質メラミンのミルク混入事件では、明らかな被害を出したと証明された地方企業だけが 「 お取りつぶし 」 になり、有名乳業ブランドは罰金のみで放免になった。 そこにも人々は二重基準を見ている。
 国が水道水基準をうたいながら、実際には水道水が 「直接飲んではならない」 と認識されるとおり、すべてに二重基準が存在するのがこの国の常だ。


根回し不足が原因か?

 この騒動の陰で、一部メディアから 「 農夫山泉の手落ちはどこにあったのか 」 との声も上がる。 中国のビジネスにはいわゆる根回しが必須。 「 これほど執拗な攻撃を北京のメディアから受けるのは、農夫山泉が北京飲用水市場の誰かの逆鱗に触れる失策を犯したからではないか 」 という見方が出始めている。
 今月初め、農夫山泉は北京で記者会見を開き、 「 尊厳を守るため北京市場から撤退する 」 と宣言。 敵は北京市場関係者であることを示唆した。 続いて共産党機関紙の人民日報が 「 農夫山泉のサンプリング検査は合格率100% 」 という記事を掲載し、政治的なにおいすら漂い始めた。
 消費者の 「 安全な食品 」 への思いとはまったく別の方向に進む今回の問題。 あらゆるところで混乱を招くこの国の二重基準は、いつまで続くのだろうか。