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2007.06.24 )


 価格競争力がある製品の輸出国としての地位を築いた中国だが、米国では 危険な製品の輸出国 と見なす風潮が強まっている。

 これまでに、有毒物質で汚染されたペットフード、健康被害の恐れがある玩具、偽造医薬品、抗生物質まみれのウナギ、違法な殺虫剤を浴びたキノコなどが社会問題になり、製品回収や販売禁止などの処分がとられてきた。

 前週には、子どもに人気の 「機関車トーマス( Thomas and Friends )」 の木製玩具の塗料から鉛が検出され、輸入元の米国企業が150万個を回収すると発表し、中国製品に対する警戒はますます高まった。 今後、輸入管理や食品安全の分野でより厳しい法律ができる可能性もある。

 7月4日の米国独立記念日( Independence Day )に打ち上げられる中国製花火に対する危険性も懸念されている。 少なくとも2製品が 「 予測不可能な危険な方向に射出され、作業者の目や観客に深刻な危害を与える恐れがある 」 としてリコールされたと報道されている。

 中国政府と米食品医薬品局( US Food and Drug Administration、FDA )の間には現在のところ食品と医薬品について拘束力のある取り決めはない。 米中間で標準とすべき規制もなければ、米国側による中国の食品生産施設の立入検査に関する制度も未整備だ。

 食品の安全性の問題は、ヘンリー・ポールソン( Henry Paulson )財務長官と中国の 呉儀( Wu Yi )副首相 が出席して5月に開かれた米中経済対話でも中心的な議題になった。 呉副首相は帰国後、中国は食品の安全性に関する規則を抜本的に改革すると発表した。

 国家質量監督検験検疫総局( General Administration of Quality Supervision、 Inspection and Quarantine of the People’s Republic of China、AQSID )の Liu Pingjun 局長は、今週北京で 「 食品安全基準制度を構築する上で、なによりも先に農産物と加工食品関連の規則を早急に見直す必要がある 」 と述べた。

 汚職に関与した中国の国家食品薬品監督管理局の元局長が死刑判決を受けたことも、中国産の食品と医薬品は見掛け倒しどころか命に関わるという米国民の懸念を払拭するという中国政府の決意の現れだ。

 米政府によれば、中国は年間約20億ドル( 約2500億円 )にのぼる米国への一大食品輸出国であるとともに、米国の食品安全基準の最悪の違反者でもある。

 中国産品の安全性に対する懸念が高まると、対中貿易赤字を問題視する米連邦議会で保護主義的な法律を求める機運が高まる恐れもある。