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2007.05.21 )

 


 米国食品医薬品局( Food and Drug Administration、FDA )の定める同国の食品安全性基準において、違反の最も多い国は中国 であると20日、米メディアが報じた。 前月、米国当局に入国を拒否された中国からの食品関連貨物は計257件で、他の国を大きく上回った。

 20日付のシカゴ・トリビューン( Chicago Tribune )紙によると、少なくとも137件の食品貨物が検査後、 「不潔」 だとして税関通過を拒否された。 サルモネラ菌が検出されたり、使用が禁止されている原材料が含まれていたという。

 同紙によると毎月、通関できない中国産の食糧貨物はかなりの量に上る。 中にはナマズ、エビ、マヒマヒ、ティラピア、ウナギ、キハダマグロといった魚や魚介類や、ハーブティー、豆腐、アメ、干しリンゴ、干しモモ、ピーナッツ製品などの加工食品、非食品ではカテーテルやリップグロスなどが含まれている。

 またワシントン・ポスト( Washington Post )紙は、FDAが前月、有害物質を含んだ栄養補助食品や化粧品、偽造医薬品など中国からの輸入品1000件以上を差し止めたと報じた。

 輸入食品の安全が突然注目を浴びている背景には、最近大きく報道された中国からの犬猫用フード汚染事件がある。 中国から米国のペットフード業界向けに輸出された小麦グルテンに、殺虫剤や樹脂に使われる有機化合物メラミン( melamine )が含まれており、この ペットフードを食べたペット数千匹が死亡 したとみられている。

 中国の食品輸出額は毎年20億ドル( 2430億円 )に上る。 主要食品を次々に安く提供するだけでなく、供給を実質、独占している食品もある。 例えばポスト紙によると、全世界のアスコルビン酸生産量の80%は中国が占めている。 この成分は加工食品全般で防腐剤などに用いられる。

 一方、中国からの輸入品に大きく依存している米国企業は、輸入を停滞させる政策には積極的でないと同紙は伝えている。 米国通商代表部( US Trade Representative )のロバート・キャシディ( Robert Cassidy )中国担当元補佐官は、 商業的利益を優先させる最近の米国の傾向 により、輸入品ができるだけ早くスムーズに入国できるようになった」 と取材に答えた。

 米農業当局は鳥インフルエンザへの警戒などで近年、輸入が禁止されている中国やアジア各国からの鶏肉製品数十万トンも差し止めたという。 それらの 鶏肉が入った木箱には 「ユリの花・乾燥」 「プルーン・スライス」 などと偽のラベルが貼られていた という。