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2007.05.09 )

 


 米国でペットフードに混入した有害物質により多数のペットが死亡していた問題で、中国政府は9日、自国企業が生産・輸出した原料が原因であることを初めて認めた。 同国の食品管理体制に国際的な懸念が広がる中、政府はさらに広範な調査を約束した。

 中国で輸出品の検査を監督する国家品質監督検査検疫総局は9日、ウェブサイト上で、国内の2企業が化学添加物であるメラニンをペットフードの原料である小麦グルテンに違法に添加し、検査を逃れるために商品名を偽っていた、と発表した。

 高病原性鳥インフルエンザA( H5N1 )や重症急性呼吸器症候群( Severe Acute Respiratory Syndrome、SARS )に関する 情報を公開・共有しないことなどで国際社会から批判されてきた中国政府 だが、毒性添加物混入事件では食品管理のずさんさを露呈した形だ。

 検疫総局が発表した調査結果によると、「 2社は販売契約上のタンパク質含有量を満たすため、小麦グルテンと米タンパク質に違法であるメラミンを添加していた 」 という。 2社は江蘇( Jiangsu )省の 「 徐州安営生物技術開発公司( Xuzhou Anying Biologic Technology Development )」 と山東( Shandong )省の 「 浜州富田生物科技有限公司( Binzhou Futian Biology Technology )」。 問題のメラミンが混入した小麦グルテンと米タンパク質は輸出された後、カナダのペットフード・メーカー、メニューフーズ( Menu Foods )が加工、販売していた。

 事件発覚後、米国当局はメラミン汚染元として2社を指摘していたが、中国側はこれまで詳細の発表を控えていた。 メラミンはプラスチックなど広範囲の製品に使用される有機化合物。 食品に添加すると、検査時にタンパク質含有量が増えたように装えるが、動物が摂取した場合、死に至る可能性がある

 米食品医薬品局( Food and Drug Administration、FDA )では、これまでにペット数千頭が犠牲になったと推計しており、3日、中国に調査団を派遣し、現地調査を開始した。 一方、FDAでは人体への危害はないとしている。

 中国検疫総局は、中国全土の支部に対し、検査を強化するために検査対象となる輸出品のリストを拡大し、特にすべての植物性タンパク質を検査品目に入れるよう命じた。 また同局は米国側に調査結果を報告し、ペットフードの安全管理に関する米政府との協力機構づくりを提案したという。 米国側の反応は明らかになっていない。

 一方、中国の警察当局は、逮捕した2社の幹部の取り調べを開始した。 2社の事件が発覚して以降、これまでに行った他の輸出品に関する調査では、メラミン汚染は発見されていないという。




 米国で中国産ペットフードを食べた猫や犬が次々に死ぬ事態が起き、このペット王国を揺るがしている。 “犯人” は、原料の小麦グルテンに混入した有機化合物と判明し、食物連鎖による人体への影響すら懸念されて、波紋が広がった。 この騒ぎは、グローバル化の時代、 1国の農産品や食品の安全管理体制がズサンだとわざわいは世界に及ぶ ということを改めて教えている。
 問題の小麦グルテンは日本には入っていないとはいえ、水際でのチェック体制強化を怠ってはならない。




( 2014.06.30 )

  


 米国でペット用ジャーキーを食べた犬が体調を崩したり、死んだりする被害が相次いでいる。 製品に含まれる中国産の原料が関係しているとみられるが、複数のメーカー製で被害がでており、症状にもばらつきが多く、なぞが多い。 米食品医薬品局( FDA )は、原因解明を急ぐとともに、むやみに与えないよう飼い主に注意を呼びかけている。

 米議会の公聴会で17日に証言したFDAのフォーファ副部長によると、ジャーキーによる被害は2007年から出始め、今年5月までに4800件の届け出があった。 犬5600匹以上が食後に吐いたり、下痢をしたりして1000匹以上が死んだ。 6割は胃腸の疾患、3割は腎臓や膀胱ぼうこうに異常があった。





( 2014.06.18 )

   


 米国で中国製のペット用ジャーキーを食べた1000匹以上の犬が死んだ問題を調査している米食品医薬品局( US Food and Drug Administration、FDA )は17日、米議会中国問題執行委員会( Congressional-Executive Commission on China、CECC )の公聴会で、これらの犬の死因はまだ特定できていないと報告した。

 FDA動物用医薬品センター( Center for Veterinary Medicine )のトレーシー・フォーファ( Tracey Forfa )氏は同委員会に対し、中国から輸入されたジャーキー製品が原因で体調を崩したことが報告されている犬の数は、2007年以降で5600匹以上に上ると報告した上で、 「 徹底的な科学的調査が行われたものの、残念ながらFDAは、報告があった体調不良や死の原因を特定することはできていない 」 と述べた。

 同氏によると、体調を崩した犬のサイズ、年齢、犬種はさまざまで、うち60%に胃腸疾患、30%に腎臓や泌尿器の問題がみられた。 中にはファンコーニ症候群と呼ばれる珍しい病気になった犬もいたという。

 消費者の間での懸念拡大を受け、ペット用品販売大手のペットコ( Petco )とペットスマート( Petsmart )は、数か月以内に店頭から中国製ペットフードを全て撤去すると発表している。

 中国製ペットフードに関する懸念は、2007年に一部ブランドの製品から、通常はプラスチックの原料として使われるメラミンが検出され、大規模なリコールにつながったことに端を発している。

 非営利団体( NPO ) 「 フード・アンド・ウオーター・ウオッチ( Food and Water Watch ) 」 によると、中国では食品の窒素含有量を高めてたんぱく質含有量を偽装するため、意図的に食品にメラミンが混ぜられている。