( 2013.02.05 )
New York Times
   

 New York Times は米国時間30日、同社の社内ネットワークが4ヵ月にわたって、中国のハッカーからサイバー攻撃を受けていたことを明らかにした。 攻撃の目的は、同紙が掲載した中国の温家宝首相に関する記事について、情報提供者の身元特定やその他の情報を収集することと見られ、記者らのパスワードなどが盗み出されたという。

 New York Times のネットワークが侵入を受けたのは9月13日前後のことで、攻撃者は同社全従業員のパスワードを盗み出した上で、社員が利用するパソコン53台に侵入したとされている。

 同紙は当時、温家宝首相の親族が数十億ドルもの財産を築いたとする疑いについて調査を進めており、サイバー攻撃を受けたのはこの原稿が最終段階にあった時期だという( 同記事は昨年10月に公開された )。

 また、この調査を進めていた同紙上海支局長や、これに協力していた当時の北京支局長らの電子メールアカウントも侵入を受けた。

 同紙の依頼を受けたセキュリティ企業のマンディアントによれば、問題となった記事の取材執筆に関連する電子メールやファイルなど、機密性の高い情報が盗み出された形跡はないという。

 New York Times は過去にもサイバー攻撃を受けたことがある。 1998年には同紙のジョン・マーコフ記者が、ケヴィン・ミトニックという有名なハッカーの逮捕を手助けしたとして、HFG( Hacking for Girl13Zの略 )というハッカーグループから攻撃を受けていた。 また、2002年には同紙のネットワークに存在する複数の脆弱性を発見したアドリアン・ラモというハッカーに侵入を許し、データベースにアクセスされたこともあった。

 さらに2011年には、同紙の元エグゼクティヴ・エディターであるビル・ケラーが、ウィキリークスまたは同組織に関係するハッカーからの不正アクセスを受けたことを示唆していた。