( 2007.07.04 )
中国政府、環境問題で世銀に圧力

 英フィナンシャル・タイムズ( Financial Times )紙は3日、世界銀行( World Bank )が中国政府の圧力を受け、自身の報告書から同国の環境汚染に関する記述を一部削除していた事実を伝えた。

 同紙によると、中国政府は 「 Cost of Pollution in China 」 と題する世銀の報告書が 「 社会不安を引き起こしかねない 」 と主張、同報告書の3分の1を削除させることに成功。 削除された部分には 「 中国では環境汚染が原因で毎年75万人が若くして死亡している 」 との調査結果も含まれていたという。

 国家環境保護総局( State Environment Protection Agency、SEPA )と衛生部が世銀に対し、2006年に完成した同報告書の草案から、この調査結果を削除するよう要請した。

 フィナンシャル・タイムズ紙によれば、報告書に盛り込まれる予定だった、もっとも多くの死者が発生した地域を示す詳細な地図についても、中国政府の要請で削除されたという。 調査に関与した相談役は同紙に対し 「 世界銀行は、この情報を公開しないよう要請された。 非常にデリケートな問題であり、社会不安を引き起こす可能性があった 」 と語っている。

 世銀の報告書の草案は、3月に北京で開催された 「 持続可能な発展 」 をめぐる会議で公表され、繊細なデータを伏せたものについてはインターネット上で入手することも可能だ。

 中国政府の協力を得て数年がかりで同報告書をまとめた世界銀行は3日、複数のデータが草案から削除されたことを認めたが、詳細は明らかにしなかった。 AFPにあてた文書の中で世銀は、刊行された報告書には 「 現在議論が進められているいくつかの問題は含まれていない 」 と語る。