( 2011.06.23 )

  


 中国の高速鉄道が掲げた 「 最高時速350キロ 」 は、独自の高速化技術に基づくものではなく、海外から導入した鉄道の規定速度300キロを無視した単なる 「速度超過」 だった と、中国紙、21世紀経済報道が鉄道省元幹部の証言として22日までに伝えた。 証言したのは鉄道省科学技術局長などを務めた周翊民しゅうよくみん氏。

 中国が高速化の根拠としてきた 「独自技術」 は実際は存在せず、 「世界の一流」 にこだわる劉志軍前鉄道相の意向で技術的な裏付け無くスピードアップしていたという。 劉前鉄道相は2月に汚職疑惑で解任され、後任の盛光祖鉄道相は最高時速を300キロに引き下げる方針を示している。





( 2011.06.24 )

 

「安全性置き去り」 7月1日に見切り発車の北京上海線にも採用

 23日付の中国英字紙チャイナ・デーリーは、中国の鉄道車両メーカー、南車集団が中国版新幹線の車両 「 CRH380A 」 の技術特許を米国で申請する方針だと報じた。 将来の車両輸出をにらんだ作戦とみられる。 南車集団は独自開発を主張しているが、実際は川崎重工業など日本企業が開発した新幹線 「 はやて 」 の技術供与を受けて改造した。 中国版新幹線には手抜き工事などの指摘もあり、北京上海線の7月1日開業は “見切り発車” だとの声が高まっている。

 中国鉄道省は23日、北京と上海を最短4時間48分で結ぶ高速鉄道 「 京滬けいこ線 」 を中国共産党の創立90周年記念日の7月1日に正式開業させると発表した。 南車集団が特許の申請を予定している 「 CRH380A 」 型車両も採用されている。

 同社は、営業運転時の最高時速を引き上げるため車両の車台部分やロングノーズ( 先端部 )などが、中国の独自技術で作られたなどと主張して特許申請する。

 しかし、中国鉄道省の元幹部、周翊民氏が証言したとして21日付の中国紙、21世紀経済報道が報じたところによると、中国の高速鉄道車両は日本やドイツからの導入技術がほとんど。 欧州系メーカーから 「技術供与はあくまで中国国内での使用に限定している」 として、車両輸出は契約違反と警告されているという。

 川崎重工は 「 どのような技術が特許申請されるか確認が取れないので、回答を差し控えたい 」 としているが、欧州も含めた特許紛争に発展する可能性もある。
 一方、周氏はそれ以外にも、中国版新幹線の営業時の最高時速が当初計画の350キロから300キロに引き下げられた問題に関し、汚職で2月に失脚した劉志軍・前鉄道相が 「 世界一 」 にこだわり、安全性を無視して最高時速を350キロに設定するよう命じていたと暴露。 技術供与元の日独企業から時速300キロ以上の営業運転は設計上も乗客の安全を保証できないと指摘され、前鉄道相の更迭後に方針変更したという。

 周氏は、路線の安全設計や工事が不十分で、地盤沈下による走行支障が起こり得るなど土木工事の問題も告発している。 また、香港紙は、高速鉄道の建設に携わった技術者が、工事代金にからむ汚職の結果、手抜き工事が現場で横行したと証言し、 「自分は絶対に乗らない」 と、不信感をあらわにしていると伝えた。

 京が北京、滬が上海を意味する京滬線は全長1318キロの専用路線で、所要時間は在来線の半分以下に短縮される。 2008年4月に着工し、強制的な土地収用が可能な共産党政権下ながら、わずか3年あまりの突貫工事で建設された。 国威発揚の期待も高い京滬線は安全性を置き去りにしたまま動き出す懸念がある。