( 2011.06.22 )

 


 香港紙の苹果日報は21日付で 「 技術者が乗らない中国の高速鉄道 … 腐敗横行、温家宝も潔白を示すため右腕を切り落とす 」 と題する記事を掲載した。 人民日報陜西分社の杜峻暁社長が指摘した技術面における問題を改めて紹介し、温家宝首相も “右腕” である秘書2人を処罰せざるをえなかったという、深刻な腐敗問題にも焦点をあてた。




 杜社長によると、中国では高速鉄道の建設に携わった技術者が 「 自分は絶対に乗らない。 親友にも乗らないように勧める 」 と公言する場合がある。 安全面で自信が持てないからだ。

 先進国の高速鉄道では、建設後に地盤の沈降など各種の問題点が出現することが 「 想定内 」 であり、開業してもすぐに本格的な高速運転をしない。 一定の時間をかけて調整した上で、本来の性能を生かした運転を始める。

 中国の場合、短期集中方式で建設し、開通してすぐに高速運転を始める。 しかも、建設は測量・設計・施工を同時に進行させるという、場当たり的な方式で、工期の都合で3種の作業のいずれかに 「 しわよせ 」 が及ぶ場合があるという。

 安全問題に輪をかけているのが、汚職の問題だ。 だれかが不正に利益を得た分、手抜き工事などで費用を浮かせていると考えるのが自然ということになる。

 最も典型的なのは、中国政府で鉄道建設の責任者である劉志軍・鉄道部部長の汚職による失脚だ。 劉前部長は、高速鉄道建設に絡む汚職で、不正に8億元( 約99億2600万円 )を得たとされる。

 また、中国高速鉄道の父と呼ばれた政府・鉄道部の技術部門トップ張曙光総工程師も2月28日に、汚職の疑いで身柄を拘束された。 張容疑者は不正に得た金のうち、同類の事件では過去最高の海外で28億ドル( 約2246億円 )を預金していたとされる。

 海外の一部報道によると、温家宝首相の “右腕” である秘書2人も高速鉄道建設に絡む汚職に一定の関係があったとみられ、温首相は自分が無関係であることを示すためにも、6月中旬までに処分を認めざるをえなかったという。





( 2011.07.01 )
沿線環境は危険
 車


 中国鉄道省の胡亜東次官は、( 正式開業を前に専門チームが行った安全検査の結果を踏まえ ) 「 環境安全面に問題がある 」 とし、その危険性を指摘した。

 胡次官は、( 1 )安全保護区内に非合法の建造物・製造所・営業所が多く存在。 ( 2 )線路から200メートル以内に易燃性、爆発性のある危険物を取り扱う製造工場などがある。 ( 3 )線路両側1キロ以内に採鉱・採石所がある。 ( 4 )線路上を通る一部道路や橋で重要制限規制などが未整備なため、車や橋が線路へ落下する危険がある。 ( 5 )線路を支える地盤で土砂採取や井戸掘りが続いている。 ( 6 )線路周辺での施工が、鉄道運営会社側との協議もなく行われる場合があり、安全運行に影響を及ぼす危険がある。 ( 7 )線路両脇の防護壁の破壊や一部設備の窃盗が発生している。 ―― といった問題点を挙げた。





( 2011.07.20 )
中国高速鉄道:


 6月30日に開業した北京と上海を結ぶ高速鉄道 「 京滬高速鉄路 」 は、故障やさまざまな問題による遅れが 「 とまらない 」 状態が続いている。 「 工事に問題があったと判断せざるをえない 」 などと述べる施工関係者もいる。 山東省の半島新聞網などが報じた。

 同鉄道では、10日に大風の影響で架線ショートが発生したことを 「 皮切り 」 に12日、13日にも列車が正常に運転できない事態が発生した。 14日には列車3便で故障が発生。 中国メディアも 「 5日間で故障6回 」 などと疑問の声を高めた。

 それ以外にも、乗客が車内から携帯メールなどで情報を発信し、メディアが改めて鉄道部門に問い合わせる事態が続いている。 「 カーブ区間で時速40キロメートルの徐行を行い、車体が傾いたので、乗務員が 『 席を立たないように 』 と指示した 」 などの事態に対して鉄道部門が 「 故障ではない。 正常な現象 」 などと回答したこともある。

 開業前までは、 「 工事の元請け会社は国有企業であり、施工の質に大きな問題が出ることはありえない 」 との説明だった。 しかし、故障の多発を受け、関係者による 「 下請け業者は極めて多い。 すべての下請け業者が規則を厳格に守ったかどうかは、大きな疑問だ 」、 「 先進技術を多く使った。 工事を監督する側も、先進技術に対する理解が不足していた 」 などの指摘が目立ちはじめた。

 相次ぐ故障という結果をみれば、 「 工事に問題があったと判断せざるをえない 」 などと述べる施工関係者もいる。 3月に 「 京滬高速鉄路 」 を巡る大規模な汚職があったことが明らかになり、中央政府・鉄道部部長も解任された。 そのため、業者指定のいきさつについても、疑問が持たれるようになった。

 開業を無理に早めたことが、故障多発に結びついたとの指摘もある。 業界関係者の1人は匿名を条件に、 「 当初は完工後の施設の点検に半年、試運転に半年の時間をかけるはずだった。 しかし、実際には半分以下の期間に圧縮された。 工期そのものも、短縮するよう求められた。 工事が間に合わず、試運転が始まってしまい。 列車の走行をさまたげないよう、間を縫って作業することもあった 」 という。

 開業が当初予定よりも大幅に早まったことについて、関係者はこれまで 「 問題はない 」 などと説明していた。

 「 京滬高速鉄路 」 が開業した翌日の7月1日、北京を初めとして中国各地で 「 中国共産党設立90周年 」 の記念式典が行われた。





( 2011.07.22 )
中国鉄道部、


 中国鉄道部の王勇平報道官は21日、北京 ― 上海間をつなぐ 「 京滬高速鉄道( 北京・上海高速鉄道 ) 」 の相次ぐ故障問題に対して、 「2-3ヵ月の “慣らし期間” を経れば大丈夫」 との考えを示した。 中国新聞社などが報じた。

 北京・上海高速鉄道は、6月30日の開業以来、5日間で約6回故障するなど、技術面、品質が不安視されている。 鉄道関係者らはこれまでにも、相次ぐ故障の原因について、技術系統の複雑さや、天候、環境などを挙げており、 「 各種設備の “初期なじみ”、人員などの “慣らし期間” 」 の現時点で、故障が相次ぐのは仕方ない、と弁明してきた。

 王報道官は21日、高速鉄道の相次ぐ故障に対して、 「 故障は事故ではない 」、 「 ( 故障の頻発は )完成を急いだためではない 」、 「 鉄道の故障は初期なじみの期間によくあることだ 」、 「 初期段階の故障は、どこの国の鉄道においても起き得る 」 などと弁解。 現在は安全検査を徹底させ、今後2-3ヵ月と見込まれる “初期なじみ期間” を短縮し、1日も早く安定的な運行に入れるよう努めているとアピール。 中国の高速鉄道の設備の品質や安全性をあらためて強調した。





( 2011.10.31 )

 


 中国紙、東方早報などによると、吉林省内で23億元( 約276億円 )をかけて進められていた全長74キロの鉄道区間建設で、橋梁きょうりょうの一部の土台部分に規定のコンクリートを使わず、大小の石を敷き詰めただけの手抜き工事が発覚した。

 受注業者は橋梁工事の経験もない元コックら出稼ぎ労働者の集まりで、契約時に資格審査はなかった。

 元コックは江西省の建設業者をかたって孫請けで契約、労働者数十人を雇って橋梁工事を行っていた。 だが今年に入り、当局調査で強度不足がみつかった。 “契約先”だった建設業者では、元コックらが同社の印鑑を偽造して不正に契約したとしている。

 中国では4年間で総延長1万キロもの高速鉄道網を建設するなど、急激な路線拡張を進めてきた。 だが、建設業者の選定など、安全管理の基本が建設作業に追いついていない実態が改めて明らかになった格好だ。





( 2011.07.12 )



 京滬高速鉄道( 北京・上海高速鉄道 )で10日、落雷による電気系統の故障で停電し、173分の遅延トラブルが発生した。 中国メディアの財訊は11日、 「 大雨すら防ぎきれない脆弱性ぜいじゃくせい 」 と批判した。

 北京・上海高速鉄道の安全性への懸念に対し、中国鉄道部は技術水準は新幹線以上だと豪語していた。 乗客の多くは今回の遅延に不満をあらわにし、 「 今後の利用は考えざるをえない 」 と表明した。 また遅延を受け、上海・深セン両証券取引所の高速鉄道関連株は下落し、代わって航空株が上昇した。

 今回の停電による遅延は多くの関係者を困惑させている。 北京・上海高速鉄道は自家発電設備をそなえているため、たとえカミナリで断線しても鉄道への電力供給は十二分保証されるはずだった。 しかし実際には緊急電源が作動せず、各方面から疑問の声が上がっている。

 記事は、 「 世界中で高速鉄道が盛んに建設されている今、必ずしも先頭に立つ必要はない。 技術が充実していないならば後発組になるのも1つの戦略だ。 高速鉄道技術の先進国である日本の新幹線でもトラブルは発生する。 高速鉄道には一流の設計・建設技術だけでなく、安全管理や専門の人材や、高度な修理技術などの諸条件が必要だ 」 と指摘。

 さらに、 「 高速鉄道においては少しのミスが大きな事故につながる。 現在、中国の高速鉄道はまだ初期段階にありながら、航空産業との競争のもと、運行速度の向上によって顧客を獲得しようと躍起になってきたが、現状では減速と安全性に対する懸念でその優勢は弱まりつつある 」 と報じた。





( 2011.07.14 )

「そういう設計です」

 10日の停電事故に続き、12日、13日と4日間で3回故障が発生して安全性や品質に疑問の声が出ている北京 ― 上海高速鉄道。 途中駅の南京南駅では、大雨によって雨漏りや地盤沈下が発生した。 「 手抜き工事 」 と批判が出る中、関係者は 「 設計上の想定内 」 との見解を発表した。

 ここ数日の大雨により、北京 ― 上海高速鉄道の南京南駅では多くの場所で雨漏りが発生したり、床の一部が沈んでかかとまで漬かるほどの水がたまっているという。 13日午前、市民から寄せられたクレームに対して、同駅指揮部の包文●副指揮長は以下の通り回答コメントを出した( ●は王へんに其 )

 「 南京南駅の床の一部は特別な設計になっている。 雨漏りは、建築物完成後に必ず実施するチェックのようなものだ 」

 床の沈下が発生した駅の東北部分と西北部分はもともとくぼんでおり、さらに下水管などが集中していて土固めができなかった。 そこで、 「 表面に砂の層を作って、注水による自然沈下 」 の方法を採用したのだという。

 鋼とガラスでできた同駅の屋根は、コンクリート建築と違って一定の雨漏りは発生する。 事前に点検すべきだが、面積が大きすぎるのと、開通前に雨が降らなかったことから 「 天に任せる 」 ことにしたとのことだ。

 包副指揮長は市民やメディアのクレームに謝意を示すとともに 「 駅舎全体に品質の問題はないので安心してほしい 」 と語った。





( 2012.03.13 )
《中国高速鉄道》
 
 中国国営の新華社は12日、中部で敷設工事が進められていた高速鉄道の線路が豪雨により崩れたと報じた。 工事手法や手順に問題があった可能性もあるという。
 新華社によると、問題が起こった場所は5月に開通する予定の湖北省の工区で、9日に大雨のため一部が崩れた。 負傷者が出たという報告はないという。
 中国の高速鉄道は2011年7月に40人の死者を出す事故を起こしている。
 3月12日中国中部の湖北省で高速鉄道の未開通部分が一部崩壊する事故が起きた。 現場周辺では激しい雨が降っていた。 昨年7月の浙江省温州市近郊での高速鉄道事故で広がった安全性への懸念が再燃している。

 国営新華社通信が12日に地元当局者の話を引用して報じたところによると、事故は同省の省都である武漢市と宜昌市を結ぶ漢宜高速鉄道( 全長291キロメートル )の一部で9日に発生。 現場は300メートルにわたって崩壊し、修復のため数百人の作業員が派遣されたという。 同区間の試験運転は既に済んでおり、5月に開通予定だった。

 中国の鉄道建設メーカーである中国鉄建と中国中鉄の株価は、12日の香港市場で今年に入って最大の下げ。今回の事故を受けて政府の鉄道建設計画推進に支障が出るとの観測が強まった。 新華社は事故区間の建設は中国鉄建が担当したと伝えている。 死者40人を出した昨年7月の温州近郊での事故の後、中国での鉄道建設ペースは落ちた。





( 2011.03.13 )




 2012年3月12日、新華網によると、湖北省武漢と宜昌を結ぶ 「 漢宜高速鉄道 」 の潜江市を通る区間の地盤が崩壊し、現在復旧作業が行われているという。

 9日、湖北省潜江市の区間で、約300メートルにわたり地盤が崩壊した。 同区間ではすでに列車の走行試験を実施したこともあり、作業員によると、連日の雨により地盤が緩んだ可能性があるという。

 漢宜高速鉄道は今年5月に開通予定の全長291キロの路線で、中国の 「 四縦四横 」 鉄道ネットワークのうち上海と四川省成都を結ぶ 「 滬漢蓉こかんよう旅客専用線 」 の一つ。

 施工業者の滬漢蓉鉄路湖北有限公司は、 「地盤崩壊のニュースは事実ではなく、事故は起こっていない」 と述べ、 「現在は最終テストの段階で、事故が報じられた区間が基準に達していなかったために 補強作業を行なっている ところ。 ごく一般的な改善作業である」 としている。

 一方で、漢宜高速鉄道に土砂を提供している会社から、湖北省枝江市を通る区間で 砕石の代わりに土を使っている部分がある との告発もあり、大雨による地盤軟化の危険性が指摘されている。 これに受けて、鉄道部の盧春房ルー・チュンファン副部長は厳格な調査を指示した。

 滬漢蓉鉄路湖北有限公司は手抜き工事疑惑について、 「 調査の結果、砕石を土で代用した部分は存在しない 」 と反論している。

 中国・湖北省漢口( 武漢市 )と同省宜昌を結ぶ高速鉄道線 「 漢宜鉄路客輸専線( 漢宜高速鉄道 ) 」 の工事現場で9日、線路部分が300メートルにわたって陥没した。 2月下旬に砂利納入業者が問題を告発していたが、無視されたことも分かった。

 線路が陥没したのは湖北省潜江市浩口鎮南湾村部分。 砂利を納入する業者のひとりが2月25日、自らの実名を明らかにした上で 「 3.3キロメートルの区間で砂利を使わず土を盛った 」 と指摘し、安全上の問題があるとして徹底調査を求めていた。

 同告発がメディアで報じられたことを受け、工事請け請け負う滬漢蓉湖北公司は 「 同じ人物が2011年8月に、メディアに対して同じ指摘をした 」、 「 中央政府・鉄道部の指導者が重視し、滬漢蓉湖北公司に対して徹底的に調査するよう要求した。 調査と計測の結果、指摘されたような工事の質の問題は見つからなかった 」 と発表した。

 陥没が発生した9日以降になり、滬漢蓉湖北公司の責任者は、 「 現在は車両を走らせる前の路線の検査段階だ。 滬漢蓉湖北公司と武漢鉄道局は線路部分の沈降の観測を強化した 」 と表明した。

 現状と今後については 「 中央政府が発表した検査方法に従って、厳粛に真剣に、順序どおり、漢宜高速鉄道全線の検査を進めている。 厳格に工事の質を検査する。 開業後に安全問題は絶対に残さない 」 という。

 現地鉄道当局は12日に記者会見を行い、 「 現地の地質の推定が不足しており、沈降が発生した 」 と表明した。 問題があるのは、それぞれ5キロメートルと7.5キロメートルの区間2ヶ所という。

 地元政府は 「 砂利を使うべきところが、土を盛っていただけだった 」 という 「 おから工程( 手抜き工事 )説 」 を否定した。