( 2014.10.15 )
退
  


 2014年10月15日、ソニーは業績悪化を受け、中国本土からの撤退を検討している。 これは社員にとっては、すでに公然の秘密になっている。

 家庭用電化製品はソニーの支柱製品で、事業全体の6割以上を占める。 ソニーはテレビ、カメラ、ゲーム機、携帯電話、パソコンなどで群雄の上に立った。 特にそのポータブルオーディオプレーヤーやディスクは、世界でもその名に恥じない先駆者だった。

 しかしソニーはこの10数年、まるでがんにかかった高齢者のようになっている。 業績は悪化を続け、赤字を長年計上し続けている。 資料によると、ソニーの2011年度の赤字額は4570億円に達した。 2012年度には5年ぶりに黒字化を実現したが、これは固定資産と部門の売却によるものだ。 ソニーはニューヨーク本部ビル、東京のビル、医療情報サイト運営のエムスリー株の一部を手放し、数十億ドルの資金を調達した。

 ソニーの2013年度の赤字額は1284億円に達した。 ソニーは、2014年度にも500億円の赤字を計上すると予想している。 ソニーは以前、2014年度の赤字額は最高で2300億円に拡大すると予想していた。

 家電事業はソニーが背負う重荷となっており、企業の経営と発展に悪影響を及ぼしている。 米ビジネスウィーク誌は、かつてソニーの象徴だったテレビ事業が、この10年間で80億ドル( 約8600億円 )弱の赤字を生んでいると計算した。

 平井一夫CEOは就任後、黒字化を実現するため 「 引き算 」 を行った。 固定資産と業績低迷の部門は、真っ先に売却による現金化が検討された。 平井CEOが家電事業を手放すことはあるだろうか? ソニーに家電がなければ、消費者のイメージするソニーブランドと言えるだろうか?




 平井CEOには業績が急激に悪化するソニーを立ち直らせる手段がなく、固定資産の売却や、事業売却による戦線縮小といった措置を講じるばかりだ。 ソニーはこのほど、電子書籍事業をカナダの電子書籍リーダー企業の Kobo に売却した。 それからリストラだが、ソニーはこのほど世界で5000人の人員を削減すると発表した( うちモバイル事業が1000人 )。

 ソニーの重要な問題は、製品そのものにある。 ソニーは近年、時代を代表する革新的なキラー製品を販売しておらず、業界No.1・2の製品を生み出していない。 しかも製品は高級路線で、大規模な販売を実現できる市場を開拓していない。 革新的な製品の不足により、製品は高価格を維持できなくなっている。

 ソニーは経営の現状を改善するため、ゲーム機のPS4やXperiaのフラッグシップ 「 Z3シリーズ 」 などの多くの新製品を発売している。 これはソニーの経営改善の積極的な力になるが、企業の緩慢な方針決定、主力製品に対する革新の意欲の低下、競争力の不足、市場への鈍い反応といった症状は治療できず、苦しい経営状況に根本的な変化をもたらせない。