( 2014.06.16 )
退
  


 近年、外資系企業の中国撤退が加速していると言われている。 これまで外資系企業が中国で多くの雇用を生み出していたことは明らかで、外資系企業が中国から工場を東南アジアへシフトさせることは中国経済にとって打撃となるのではないかと危惧きぐする声もある。

 中国人ブロガーの邱林( ハンドルネーム )さんは、自らのブログで外資企業の中国撤退は 「 結果的には中国経済にとってプラスになる 」 との主張を展開しているが、それは一体、どういう意味なのだろうか。

 中国にある欧州連合( EU )商工会議所が行った調査で、EU企業の46%が 「 中国の黄金期はすでに終わった 」 と考えており、上海に設立された貿易自由区に進出を決定または進出を予定しているEU企業がわずか14%にとどまった。 筆者は同調査結果を紹介したうえで 「 逆に考えれば14%のEU企業は、中国にはまだ発展の余地があると考えているということだ 」 と前向きな考え方を示している。

 また、外資系企業が抱える問題について、筆者は人件費の上昇や政策による各種制限といった構造的な問題だけでなく、中国企業が台頭し、手強い競争相手に成長してきていることも大きな理由の1つだと分析。 例えば、米国の大手建設機械メーカーのキャタピラーは、中国における売り上げを2005年からの5年間で3倍に伸ばしたものの、市場シェアは11%から7%に減少した。 「 これはライバルのコマツではなく、中国企業にシェアを奪われたためだ 」 とし、中国企業が外資系企業を凌ぐだけの実力をつけていることを示した。

 筆者はまた、中国はすでに世界の工場としての地位だけでなく、外資系企業にとって魅力的な大きな市場も存在すると主張、 「 今や中国に進出する企業の多くが市場での販売を求めている 」 と指摘。 ほかにも、内陸部は今なお人件費が安いため工場を内陸部へ移転させられることや、ビジネス環境や市場、インフラが完備された国はほかに存在しないとの理由も挙げ、中国から一部の外資系企業が撤退したとしても決して 「 中国が孤立する訳ではない 」 と主張した。

 筆者は最後に、中国から撤退する企業が増えたことによって、政府が積極的に経済政策の見直しを図るようになったことや、改革を推し進めるきっかけになったと指摘し、外資系企業の撤退は必ずしも悪いことではないと主張した。