( 2013.08.13 )
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 2013年8月12日、海外資本が中国から大規模に撤退し、中国経済の発展に影響を与えるといった言説が最近やたらに聞こえてくる。 本当に大規模撤退はあるのだろうか。 撤退は中国にマイナス影響を与えるのだろうか。 中国にはまだ外資を引き寄せる力があるのだろうか。 こうした問題に答えるため、関連部門、専門家、外資系企業などを取材した。


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 「 外資が撤退する減少は確かにみられるが、大規模撤退という結論は導き出せない。 海外メディアが中国の投資リスクを故意に言い立てているだけだ 」

 海外資本は今、中国から大規模に撤退しているのだろうか。 この問題について、経済専門家と市場アナリストに取材したところ、どれくらいの外資が中国か流出しつつあるか、流出したかを正確に見極めることは難しい。 資本の国境を越えた流動は複雑で、一つの統計基準だけですべてをカバーして把握することはできないという答えが一様に返ってきた。

 中国外匯投資研究院の譚雅玲タン・ヤーリン院長によると、各種データの中では国際収支表( バランスシート )が国境を越えた資本流動の情況を相対的に正確に映し出すが、中国から流出したのが海外資本なのか国内資本なのかを正確に区別することは難しい。 金融危機発生当初、海外で資産価格が低下したため、中国の企業や個人の多くが海外で投資を行うようになり、資本を国外に移すようになった。

 清華大学経済外交研究センターの何茂春ホー・マオチュン主任も、外資が中国から大規模撤退するという説は実情にそぐわないとの見方を示し、 「 現在の情況から考えて、外資の撤退は基本的に市場運営の規律に合致している。 外資の変動は主にリターン率の影響によるものだが、全体としていえることは、中国は引き続き世界で2番目に外資を利用する経済体であるということだ 」 と話す。

 関連データもこうした見方を後押しする。 外匯管理局関連部門の責任者が先月22日に述べたところによると、2013年5月以来、米連邦準備制度理事会( FRB )が量的緩和政策を終了するとの観測が徐々に強まるのにともない、国際資本が新興市場から少しずつ撤退するようになったが、中国にはこれまで外資が主体的かつ集中的に撤退する様子はみられない。

 同責任者がこのように述べる根拠は次の3点だ。 第一に海外直接投資( FDI )と証券投資をめぐる国境を越えた資金の流入は増加を続けている。 6月のFDI流入額は119億ドル( 約1兆1574億円 )で、前月比14%増加した。 証券投資の外貨決済額は15億ドル( 約1459億円 )で、前月の3.5倍に増えた。 第二にFDIの引き上げ規模は低水準を保っている。 今年上半期の引き上げ規模は35億ドル( 約3404億円 )で、同19%減少した。 第三に、外資系企業の投資利益の送金にみられる変化は緩やかなものだ。

 複数の専門家によると、外資の大規模撤退はメディアが故意に作り上げ、中国投資のリスクを喧伝しようとした、という部分が大きい。 復旦大学グローバル投資・貿易研究センターの袁堂軍ユエン・タンジュン主任の分析によると、日本は中国にとって2番目の外資由来国であり、中国に関する言論の多くは日本で発生したものだ。 中国をやり玉に挙げた 「 チャイナリスク 」 という言葉さえあるという。


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 「 一部はコスト増のため、多くは一時的な調整のためで、大局に影響はない。 ホットマネーが流出するのは悪いことではない 」

 取材により、確かに外資の一部が中国の政策調整やコスト増加を受けて他国に移っているが、投資や投機をめぐって行われた一時的な調整であるものが多く、中国の外資利用という大局には影響がないことがわかった。

 これと同時に、外資の税金面での 「 超国民待遇 」 が徐々に取り消されており、このことが外資の中国への参入ハードルを目に見えない形で引き上げている。 ある米国の情報技術( IT )企業の中国エリア税務総監が述べたところによると、中国には現在、外資に対する優遇がほとんどなく、 「 超国民待遇 」 は昔話だという。

 外資の撤退は中国経済にどのような影響をもたらすだろうか。 ある専門家は情況を踏まえて判断するべきであり、一律に悪いこととみなすべきではない。 たとえばホットマネーの流出などは決して悪いことではないと話す。

 だが興業銀行の魯政委ルー・ジョンウェイチーフエコノミストは次のように警告する。 産業経済の分野での資本の流出には注意が必要だ。 ここ2年間に少なからぬ韓国企業が撤退しており、台湾企業の投資が集積する地域でも台湾資本の撤退現象が現れている。




 「 中国には巨大な市場と発展の潜在力があり、外資が対中投資を増やすのは必然的で長期的な流れだ 」

 このような情況ではあるが、中国本土はまだ競争力を失ってはいない。 南京大学商学院の宋頌興ソン・ソンシン教授によると、中国は引き続き欧米諸国よりも労働力コストで優位にあり、労働集約型産業についていえば短期間で外資が中国から完全撤退することはあり得ない。 また、コストが高い都市から二線都市や三線都市( 地方都市 )への移転が進むとみられる。 外資の撤退が本当にあるとしても、大きな流れにはならないという。

 中国人民大学重陽金融研究院シニア研究員のジョン・ロス氏はより楽観的な味方を示し、 「 資本が新興経済体国家から撤退するのは世界共通の流れで、中国は外資撤退の影響を最も受けていない国だ 」 と話す。 中国には巨大な発展への潜在力があるため、外資が対中投資を増やすのは必然的で長期的な規律ある流れであり、撤退は局部的、短期的な現象で量も少なく、戦略上の根本的な問題にはならないという。