( 2012.08.27 )

使

 北京の日本大使館によると、27日午後4時( 日本時間同5時 )過ぎ、北京市内の環状道路上で、丹羽宇一郎駐中国大使が乗った公用車が2台の車に強制的に停車させられ、中国人とみられる男にフロント部分に立ててあった日の丸を奪われた。 丹羽大使にけがはなかった。

 この事件を受け、日本大使館は中国外務省の羅照輝アジア局長に対し厳重に抗議し、再発防止と刑事事件として捜査するよう求めた。 羅局長は 「 このような事件が発生したことは極めて遺憾である。 中国政府としては事件の再発防止に全力を尽くしたい 」 と謝罪。 法に基づいた対処を約束したという。

 沖縄・尖閣諸島( 中国名・釣魚島 )問題をめぐって日中関係が悪化しており、中国国内では香港の活動家らによる尖閣諸島上陸以降、中国の領有権を訴える反日デモが各地で続発している。 大都市での抗議行動は中国当局に押さえ込まれてきたが、今回の事件も尖閣問題に絡む抗議行動の一環である可能性が高い。

 特命全権大使は、日本国家を人格的に代表する。 外交慣行では、大使車のみ( 総領事館が設置されているときは、当該総領事館が管轄する区域内では総領事車も )が国旗を掲揚することができる。 裏返して言うならば、大使車に掲揚された国旗は、日本国家を象徴する意味をもつ。

 北京の日本大使館は、中国外務省の局長レベルに抗議をしているが、これでは抗議のレベルが低い。 少なくとも外務次官レベルに抗議すべきだ。 さらに東京でも、外務大臣もしくは副大臣が、ただちに在京中国大使を外務省に呼びつけて抗議する事案 と思う。

 日本外務省の緊張感が欠けている。 「 外交関係に関するウィーン条約 」 の第29条で 「 外交官の身体は、不可侵とする。 外交官は、いかなる方法によつても抑留し又は拘禁することができない。 接受国は、相応な敬意をもつて外交官を待遇し、かつ、外交官の身体、自由又は尊厳に対するいかなる侵害をも防止するためすべての適当な措置を執らなければならない 」 と定められているが、どうも 中国社会では、文明国の常識が通用しないようである。

 中国政府は、今回の日本国家侮辱事件に関して、 真相究明、謝罪、犯人の処罰を行った上で、 実効性のある再発防止措置をとらなくてはならない。 いかに日本の外務官僚がだらしなくても、 この人たちは対外的には日本国家を代表する機能を果たす。 本件に関して、日本外務省が怒りを表明し、 毅然たる態度を示さなければ、このような日本国家に対する侮辱が今後も続いて起こる。 日本の外務官僚と中国当局の不作為を看過してはならない。





( 2013.09.13 )
<反日デモ>
  

 北京市の日本大使館前での抗議デモが11日から毎日開催されることが明らかとなった。 もちろん中国政府はそんなことを発表していないが、なぜかバス会社さんが親切にも教えてくれている。

 左記写真は北京市のバス停・安家楼。 日本大使館最寄りのバス停だ。 そのバス停に通達が張り出されている。 「 本日より午前8時半から午後7時まで、***号線バスはこのバス停に止まりません。 不便をおかけすることをお許しください 」 という内容だ。 全部で12路線がこのバス停に止まらないことを決めたという。 中国広播網の取材によると、路線バス運営会社は停車再開時期は未定と話している。 また大使館付近の一部区間では自転車・歩行者用道路が閉鎖されていると胃いう。

 というわけで、通達には理由こそ明記されていないものの、反日デモとその警備の邪魔にならないよう、そして野次馬がデモに参加して騒ぎが大きくならないにようにしていることは明白だ。 バス会社の答えをかんがみるに、今後はどうやら毎日騒いでくれるらしい。 報道によると、11日、12日、13日と3日連続でデモがあったことは確認されている。 官制メディアの中国広播網がこの情報を報じてくれたが、今ではあえなく削除されたもよう。 「 民衆の自発的な抗議デモですが、今後もしばらくの間は毎日あることをバス会社は知っています 」 というのは、ちょっとまずいという判断だろう。

 中国各地の反日デモの中でも、北京市のデモはもっとも厳格にコントロールされており、参加者は20人程度とごく少数だという。 当局のコントロールを外れて大騒ぎするとは考えづらいが、念には念を入れての措置ということのようだ。